競輪界最高峰のレース『KEIRINグランプリ』。その出場権は、その年のG1の優勝者と年間獲得賞金ランキングの上位から決まる。
日々開催されているレースの中でも、格式の高いレースが「G1レース」。さらにその次にレベルの高い「G2レース」。
これらのレースは、賞金額も最高水準となっている。
本記事では、そんなG1・G2レースで「完全優勝」を達成すると、1開催で獲得できる賞金は合計いくらになるのか検証していく。
9つのハイグレードレース
男子の競輪では毎年「6つのG1」と「3つのG2*」が、年末の頂上決戦に向けて開催される。
以下では各G1・G2で完全優勝を達成した場合の、“合計獲得最高額”をまとめてみた。
※『ヤンググランプリ』もG2格付けのレースとなるが、本記事の主旨から含んでいない。
2025年のG1・G2賞金額
開催 | 合計獲得最高額 | 内訳(各レースでの1着の賞金額) | ||||
全日本選抜競輪(G1) (合計4レース) |
4,574万6,000円 | 特別選抜予選 | スタールビー賞 | 準決勝 | 決勝 | |
643,000円 | 1250,000円 | 853,000円 | 43,000,000円 | |||
ウィナーズカップ(G2) (合計4レース) |
3,125万4,000円 | 特別選抜予選 | 毘沙門天賞 | 準決勝 | 決勝 | |
572,000円 | 1,000,000円 | 682,000円 | 29,000,000円 | |||
日本選手権競輪(G1) (合計4レース) |
9,146万円 | 特別選抜予選 | ゴールデンレーサー賞 | 準決勝 | 決勝 | |
771,000円 | 2,700,000円 | 989,000円 | 87,000,000円 | |||
高松宮記念杯競輪(G1) (合計5レース) |
5,282万3,000円 | 東西一次予選 | 東西一次予選2 | 青龍・白虎賞 | 準決勝 | 決勝 |
471,000円 | 471,000円 | 1,000,000円 | 835,000円 | 50,000,000円 | ||
サマーナイトフェスティバル(G2) (合計4レース) |
3,125万4,000円 | 特別選抜予選 | アルタイル賞 | 準決勝 | 決勝 | |
572,000円 | 1,000,000円 | 682,000円 | 29,000,000円 | |||
オールスター競輪(G1) (合計4レース) |
6,972万9,000円 | ドリームレース | シャイニングスター賞 | 準決勝 | 決勝 | |
3,100,000円 | 2,700,000円 | 929,000円 | 63,000,000円 | |||
共同通信社杯(G2) (合計4レース) |
3,064万8,000円 | 一次予選 | 二次予選A | 準決勝 | 決勝 | |
446,000円 | 520,000円 | 682,000円 | 29,000,000円 | |||
寬仁親王牌・ 世界選手権記念トーナメント(G1) (合計4レース) |
4,590万3,000円 | 日競選理事長杯 | ローズカップ | 準決勝 | 決勝 | |
800,000円 | 1,250,000円 | 853,000円 | 43,000,000円 | |||
競輪祭(G1) (合計5レース) |
5,323万円 | 一次予選1 | 一次予選2 | ダイヤモンドレース | 準決勝 | 決勝 |
471,000円 | 471,000円 | 1,350,000円 | 938,000円 | 50,000,000円 |
KEIRIN.jp > 検索/資料室 > トーナメント表・賞金表
1年で「完全グランドスラム(仮称)」すると?
賞金ボードには「優勝賞金」のみ記載。準決勝までの賞金は含んでいない。
1つの開催のうち、全てのレースで1着フィニッシュすることを意味する「完全優勝」。
「特別選抜予選」など、初日のレースのうち最も賞金の高いレースから完全優勝を果たせば、その開催で獲得できる“最高賞金額”を手にすることができる。
先日開催された『第76回高松宮記念杯競輪(G1)』で完全優勝を果たした脇本雄太は、本開催最高額である「5,277万7,000円*」の賞金を勝ち取ったこととなる。
※副賞などを除く
ここで編集部の頭に浮かんだのは、
「1年間全てのG1・G2で完全優勝を成し遂げたら、一体その合計賞金額はいくらに達するのか?」
という疑問。
全てのG1・G2で完全優勝を果たすことを“完全グランドスラム(仮)”と名付け検証したところ、その合計賞金額は、
「4億5,200万1,000円」
であることが分かった。
さらに『KEIRINグランプリ2025』の優勝賞金「1億4,000万円」を足すと、その合計は「約6億円」に達する。凄まじい金額だ。
「史上最高額」は6億円にどれくらい近づいた?
“完全グランドスラム(仮)”を達成した際の「最高賞金額」は約6億円。
もちろん選手たちはG2・G1だけに出走するわけではないが、これを仮の上限値とした場合、現時点でどれくらいこの理論値に近づいたのだろうか。
年間獲得賞金額の史上最高額は、2024年に古性優作が達成した「3億8,311万5,596円」。2022年に脇本雄太が達成した記録に続く、史上2人目の「3億超え」だ。
年間獲得賞金額 歴代TOP3
達成選手 | 年間獲得賞金額 | 達成年 | 獲得タイトル(G2以上) | |
1位 | 古性優作 | 3億8,311万5,596円 | 2024年 | オールスター競輪(G1) 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1) KEIRINグランプリ(GP) |
2位 | 脇本雄太 | 3億584万2,300円 | 2022年 | 日本選手権競輪(G1) オールスター競輪(G1) KEIRINグランプリ(GP) |
3位 | 三谷竜生 | 2億5,531万3,000円 | 2018年 | 日本選手権競輪(G1) 高松宮記念杯競輪(G1) KEIRINグランプリ(GP) |
古性優作による「3億超え」は単純に計算すると“完全グランドスラム(仮)”の6割を達成している状態。「6億円」が決して夢物語ではないように思えるほど、圧倒的な強さが窺える金額だ。
古性・脇本による「3億超え」は、それほどまでに強い選手が誕生したことを示す歴史的快挙と言える。