2024年12月24日付けで競輪選手を引退、2025年4月1日付で日本競輪選手養成所(JIK)の新所長に就任することが決定した神山雄一郎。2025年3月4日に、静岡競輪場にて就任会見が実施された。

第127回・128回生の卒業記念レースが開催されている静岡競輪場にて、瀧澤正光 現所長も同席する形で実施されたこの会見。

会見の2人の挨拶からスタート。瀧澤現所長は「数多くの方々のおかげで、選手育成という大切な仕事に心血を注ぎ邁進することができました。今後はアドバイザーとして、神山新所長が作り上げていく新しい養成所の力になれるよう、精進して参ります」とコメント。

神山新所長は「引退会見を報じていただいた紙面はすべて保存しています(笑)」と報道陣へ感謝を述べつつ、「これからは瀧澤所長の後を継ぎ、精一杯頑張っていきたいと思います」と決意を語った。

以下、質疑応答の模様をお伝えする。

瀧澤正光・神山雄一郎 インタビュー

Q:長年所長を務めてこられて、印象に残っていることはなんでしょうか?

瀧澤正光 現所長(以下、瀧澤):やはり自分が関わった候補生たちがデビューして活躍してくれたことが思い出深く、印象に残っています。

なかでも、手前勝手ではありますが、「T教場」(滝澤正光校長自らが訓練・指導を行う特別教場)出身の三谷竜生選手が特別競輪を優勝した時は、我がことのように嬉しかったですね。。

Q:競輪選手を育てていく責任者として、意識していた部分を教えてください。

瀧澤:公営競技者としての自覚。それを何よりも伝えたいと思い、候補生と向き合ってきました。

Q:神山さんの新所長就任について、どのように感じていますか?

瀧澤:自分が歩んできた道を、神山新所長が引き継いでくれることをとても嬉しく思います。心から応援しています。

Q:神山新所長は、就任にあたって瀧澤現所長より言葉をかけられましたでしょうか?

神山雄一郎 新所長(以下、神山):「選手として培ってきた経験に勝るものはないから、それをバックボーンに頑張ってほしい」という言葉をかけていただきました。自分は選手の経験しかないことが少し気がかりではあったのですが、その言葉にすごく勇気づけられました。

Q:4月から、候補生たちとはどういった向き合い方をしていきたいですか?

神山:すでに何度か養成所に足を運んだのですが、未来を担う候補生たちが頑張っている姿がキラキラと輝いて見え、感銘を受けました。一緒になって頑張っていきたいという気持ちが一番強いです。

Q:どういった選手を育てたいですか?

神山:最後まで諦めずにゴールまで走り切る、ファンの方がゴールまでずっと車券を握っていられるような選手を育てていきたいです。精神的な部分も含め、競輪界を引っ張っていけるような選手を育てられたらいいなと思います。

Q:引退会見では、仲間のことを語る際に言葉を詰まらせる姿が印象的でした。

神山:あのときは見苦しい姿をお見せしましたが(笑)、競輪選手たちは戦う相手でありながら、どこかでつながっている。そんな競輪の奥深さや素晴らしさを、候補生たちにも伝えていきたいですね。

Q:就任にあたって、なにか特別な準備をされましたでしょうか?

神山:申し訳ないのですが、特別な準備はしていません(笑)。瀧澤さんの言葉どおり、自分の経験を活かしながら、先生方の知識も学び、融合させていきたいと思います。

Q:現所長による「T教場」は、候補生たちにとっても大きな存在であったと思います。神山新所長も、そういった教場をつくる予定はありますか?

そういった教場をあることでこそ得られるものがある、というお話は瀧澤さんからも伺っています。現段階では未定ですが、しっかりと考えていきたいと思います。

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