オリンピアンの講習を特等席で
夕食のあとで実施されたのは、2015年の本イベントに参加*した経験を持つ太田りゆ選手による講演会。
*本イベントと同趣旨で開催された『ガールズサマーキャンプ』に参加
このイベントを通じて人生が変わりオリンピックの舞台に立った選手の言葉を、特等席で、目を輝かせながら聞き入る参加者たち。
講演では、競輪や自転車競技の楽しさのほか、女性アスリートが直面するさまざまな問題に触れながら、実際に太田選手が行っているコンディショニングやケアの方法が語られた。
男性の指導者とはなかなか話すことのできないトピックもあり、非常に有意義な時間となった。
講演の後には、太田選手からの“特別プレゼント争奪”のじゃんけん大会も実施。
松山けいりんのマスコットキャラクター“坊っちゃりん”も登場し、大盛り上がりのなかで1日目が終了した。
2日目 目に見えて上達する参加者
2日目に入ると参加者同士でのコミニュケーションが増え、上達のために話し合いながらプログラムに向かう姿が目立った。
初心者の参加者たちも、ピストフレームを乗りこなし始めており、明らかに上達している。
2日間の“合宿形式”で行われるからこそ、参加者同士の距離が近づき、上達も早まる。
本イベントならではのメリットといえるだろう。
経験者のメンバーは、沼部早紀子氏から効率的なスタンディングの方法やペダリングなど、専門的な技術を学んでいく。
タイム計測を繰り返しながらのトレーニングのため、効果を実感しながら学べることもポイントのひとつだ。
経験者のプログラムを担当した沼部早紀子氏は、「基礎的な技術を学ぶ機会は多くないので、トラックトレーニングキャンプを通じて指導できることは凄くいい機会になると思っています」と語る。
さらに、前回と舞台を変えて西日本での開催となったことについては、「東日本での開催では来られなかった方も多いと思うので、全国各地で実施することの大切を改めて実感しました。“発掘”も含め、今後も全国で開催してさまざまな出会いを得ることができれば」と、今回のイベントの意義が語られた。
プロのスピードを体感
キャンプの終盤には、上田学選手(69期)をはじめ愛媛支部所属選手がゲストとして登場し「走行実演」も実施された。
これまで自分たちが走っていたバンクを、プロが凄まじいスピードで駆け抜けていくのを目の当たりにし、驚きの表情を見せていたのが印象的だった。
プロによる実演後もトレーニングが続くなか、終盤には初心者メンバーも経験者に劣らぬ走りを披露。
沼部氏が語る“発掘”という言葉も実証される形となった。
2日間にわたったトレーニングが終了すると、参加者たちは満足した表情でバンクをあとにした。
参加者の声
自転車競技初心者/13歳
Q:参加してみてどうでしたか?
全然ピストバイクに乗れない状態での参加でしたが、2日間あったので、ちょっとずつ上達を実感しながらトレーニングを受けることができました。最後には、スピードを出すことができて、すごく楽しかったです。
Q:バンクを走ってみた感想は?
実際に走ってみると、思っていたよりも角度があってびっくりしました。お姉ちゃんが自転車競技をやっているのですが、こんなところで漕いでいるなんてすごいなと感じました。
自転車競技経験者/14歳
Q:経験者としてこのキャンプに参加して、どのような学びがありましたか?
アップの前の効果的なストレッチの方法などを、トレーナーの方から直接教えてもらうことができてよかったです。太田りゆ選手の講演も印象的で、「自分に優しく、相手にも優しく」いう言葉が心に残ちました。
Q:これからの目標を聞かせてください。
2025年の『JOCジュニアオリンピックカップ』で優勝することです。自転車競技部がある強い高校に入って、プロとして海外でも活躍できるような選手になりたいです。