初のマディソン導入となる東京オリンピックに向けて

今回のジュニアトラック世界選手権では、東京オリンピックで初めて正式種目となるマディソンが観客の目を最も惹きつけていた。

女子マディソンはフランスの圧勝

12チーム出場した女子マディソンでは、フランスのビクトア・ベルー(Victoire Berteau)マリー・ルネ(Marie le Net)のペアが誰も手が付けられない強さを見せる。2年にわたってペアを組んでいるこの二人は、今大会で圧倒的な走りを見せた。

100周の20kmで争われたマディソンは、10周ごとにポイントが加算される。フランスチームは10回あったポイント獲得の機会で8回ポイントを獲得し、さらには集団のラップにも成功。文句なしの優勝を飾った。

ルネは「どうやったのかまだ信じられない。調子が良くて、コーチが『抑えろ!』と叫んでたきたときも気にせず走り続けられた」と語り、ベルーは「常に掲示板を見上げて状況を把握していた。本当に信じられない」と喜びを表現した。

初めてペアを組んで優勝の男子オーストラリアチーム

男子マディソンは予選が行われ、上位7チームずつが決勝ラウンドへ進んだ。

ここで目立っていたのがオーストラリアのブレイク・クイック(Blake Quick)とポイントレースでも活躍を見せたルーカス・プラップのペアだった。140周のうち14回のポイント獲得に成功して優勝。

クイックとプラップは兼ねてから共にトレーニングをする間柄であったが、マディソンでペアを組むのは初めてだった。ポイントレースに続いて優勝したプラップは「何が起きるかも想像できないよ」と喜び、「作戦としては早くにラップして集団を消耗することだったが、思っていた以上に周りが強かったのでスプリントに持ち込むしかなかったんだ」と付け加えた。

オムニアムで銅メダルを獲得していたクイックは「何が起きるかわからなかったけど、僕らは楽観的だったよ。世界戦だからタフなレースをできるけど、そこで勝つのはとても嬉しいことだよ」とコメントした。

Photos : UCI