誰がゴールデンキャップを獲得するのか?

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「これキタな!」阿部英斗(福岡)

Q:ゴールデンキャップ獲得おめでとうございます。今のお気持ちは?

ひとまず安心しています。第1回記録会では3000mでゴールデンキャップを逃しており、今回は天気が良くなくて不安な部分もあったんですが、他の種目も含めてベストを尽くせました。

Q:特にうまくいった種目は?

やっぱり3000mです。前回はラップが刻めなくて乱してしまいましたが、今回は初っ端から完璧に入れたので「これキタな」と思いました!

同じペースで走るというよりは「これくらいのタレ幅ならゴールデンが獲れる」と作戦を立てていた感じ。それが綺麗に実行できたし、最後は脚が残っていたので、3分45秒台で入ることができました。

Q:夏休みはどのように過ごしていましたか?

最初の1週間くらいは伊豆に残って、世界選手権(ジュニア)に行く山崎(歩夢)の練習相手をしていました。他の候補生に比べて250mバンクに慣れることができたと思うので、そこは良かったと思います。

Q:ここから卒業までの目標を教えてください。

目標としていたのは「早期卒業」でした。1kmでもっと速いタイムを想定していたんですが、そこは力不足。そういったところを強化していきたいと思います。スタートは良い感じでできていたので、3周目4周目の粘りが必要かなと思います。

Q:来週は学科考査ですが、大丈夫そうですか?

記録会があったので、勉強どころではなくて……(笑)明日からみっちり頑張りたいと思います。

「必要なのはメンタル強化」中石湊(北海道)

Q:ゴールデンキャップ獲得おめでとうございます。

ありがとうございます。第1回の記録会では3000mのタイムでゴールデンキャップを逃してしまったので、今回はしっかり3000mの練習をして挑みました。結果としてタイムもベストなものが出ましたし、練習した成果を実感でき、自分の進化を感じられました。

Q:やっぱり短距離出身の方は3000mが苦手ぎみでしょうか?

そうですね。第1回記録会の時は3000mの経験が少なかったし、ゴールデンが掛かってる状態(最終種目)だったので、不安の方が大きかったなと思います。

Q:今回に関しては緊張などは?

しっかり練習してたので、そこまで緊張はしませんでした。天気だけは気にしていましたが。

Q:夏休み明けすぐの第2回記録会でしたが、夏休みはどのように過ごしていましたか?

(阿部)英斗と一緒で、最初の1週間は伊豆に残って山崎の練習相手をしていました。その後は地元に戻って、函館競輪場で練習していました。

Q:何かリフレッシュなどはできましたか?

違う環境で練習できたのはリフレッシュだったなと思います。今年は函館も結構暑かったですけど……(笑)でもバンクは軽かったです。

Q:では、ここから卒業までの期間で改善したいことを教えてください。

今回、200mと1000mで思ったような結果が出ませんでした。メンタル面に弱いところがあると思っていて、競走訓練などでそういった部分を鍛えていきたいと思っています。

先行できる選手を目指しています。言うのは簡単だけど、実際にやるのは結構勇気がいること。しっかり先行して、しっかり最後まで諦めない気持ちの強さをつけていきたいと思います。

Q:最後に、学科考査の意気込みを聞かせてください。

記録会はこれで終わったので、学科に集中していきたいと思います……(苦笑)

「憧れは新山」松本昂大(長崎)

Q:ゴールデンキャップ獲得の感想を聞かせてください。

競輪選手を目指し始めた時から、養成所でのゴールデンキャップはひとつの目標でした。それを達成することができて良かったなと思います。

Q:これまでどのようなスポーツをしてきましたか?

小学校1年から中学3年までは陸上をやっていました。並行する形で小学校4年の時に自転車競技を始め、高校から本格的にスタートしています。

もともと父が国体選手で、父の影響で自転車競技を始めました。そんな中、中学生の時にテレビで見た競輪に憧れ、競輪選手を目指し始めました。

Q:憧れの選手はいますか?

新山響平選手です。

新山響平

先行がめちゃくちゃ強くて、一度お会いした時に色々お話もさせてもらって……すごくかっこいいなと思いました。

Q:今回の記録会、一番出来が良いと感じた種目はどれでしたか?

400mですね。一番苦手な種目なんですが、状態が良くてタイムを乗せることができました。

ダッシュ力がないので、なかなか最初の200mでスピードを乗せることができないんです。今回は風のおかげもあって、後半からペースをあげていくことができました。

Q:では、一番得意な種目は?

3000mだったんですが、今回はペース配分が思ったように行かなくて……あんまり良い結果じゃなかったです。

Q:夏休みはどのように過ごしてましたか?

練習もしてましたが、遊んでリフレッシュもできました。夏祭りに行きました!

Q:今後の意気込みを聞かせてください。

先行で勝てる選手になりたいと思っています。競走訓練で先行で勝てるように、持久力やダッシュ力をつけたいと思います。

Q:ついでに学科考査の意気込みを聞かせてください。

勉強は得意ではないですが、周りも頑張って勉強してるので……!集中して覚えたいなと思います。

「目標はグランプリ連覇」森田一郎(埼玉)

Q:簡単な自己紹介と、これまでのスポーツ経歴を教えてください。

朝日大学卒業、埼玉出身の森田一郎です。中学初めまでモトクロスをやっていました。それからソフトテニスをやって、高校1年から自転車競技を始めています。高校で3年、大学で4年、今年で競技歴8年目です。

Q:どのようなきっかけで自転車競技を始めたんですか?

もともと乗り物が好きなんです。高校生の自分にとって、一番身近な乗り物は自転車。加えて「自分の力でこれだけのスピードが出る」ということに惹かれ、自転車競技を始めました。

高校1年の後期から競技のケイリンに出会って……速さだけじゃなく戦術も必要とされることに魅了され、そこから大学までケイリン一筋でやってきました。

Q:「乗り物が好き」というとオートレースとかもアリだったのかなと思うのですが、そうではなかった?

高校時代の自分にとって、それは選択肢には出てこなかったですね。やっぱり自転車が一番近かったので。入った高校に自転車競技部があって「よし入ろう!」と思いました。

大学時代に車に乗ることもありましたが……やっぱり自転車の方がやりがいがあるというか、達成感がある感じがします。人力が好きです(笑)

Q:改めて今回の記録会について聞かせてください。一番出来が良かったと思う種目はどれでしたか?

強いて1つ挙げるとすれば400mです。もともと得意なのは1000mなんですが、今回の400mは「ここでこれをやる」を全部きちんとできた種目でした。うまくまとめられたなと感じます。

逆に、今ひとつだったのは1000m。得意種目なだけに、タイムを出そうと力みすぎてしまったと感じます。事前に早期卒業レベルのタイムが出せていたので、意識してしまって……

今回は発走機を出てすぐのところで滑って、踏み直して脚を使ってしまいました。その後も思うようなライン取りができなかった形です。

Q:今後卒業までに、一番改善したいことは何ですか?

「最後にキツくても持ち直せる脚」ですね。タイムトライアルでもそうですし、今後卒業してプロデビューしてからも、最後は脚力が大事になると思います。養成所生活の間に磨きあげられたらと思います。

Q:競輪選手になってからの目標を教えてください。

KEIRINグランプリの「連覇」です!連覇って、本当に強い人しかできないことだと思うので。

Q:最後に、学科考査に向けての意気込みを聞かせてください。

ずっとスポーツ一筋だったので勉強は一番苦手なんですが……努力が必要なことは同じだと思うので、気を抜かずこれから勉強して、60点クリアを目指します(笑)

ミスターMVP・西岡利起(奈良)

Q:適性試験での合格にしてゴールデンキャップ、しかも全てのタイムが特に秀でているということで、「今回のMVPだ」と講評にて評されていました。

適性で合格ということで自転車未経験者と思われがちなんですが、実は2年ほど経験があります。

中学高校はテニスをやっていて、入学した同志社大学でも同好会という形でテニスを続けていたんですが、大学2年の途中から自転車部に入りました。最初はロードから始めて、最終的にはトラック競技に力を入れていました。

Q:適性試験で受験したのはどのような理由から?

1kmTTのベストタイムがカーボンフレームで1分11秒だったので、合格には厳しいタイムでした。その一方でウェイトトレーニングの数値が良く「これなら適性の方が受かりやすいんじゃないか」ということで、適性で受験しました。

西岡利起, 第1回記録会, 日本競輪選手養成所, 第125・126回生

Q:改めて、ゴールデンキャップの感想を聞かせてください。

記録会前の練習ではあまり調子が良くなくて「白帽が獲れれば良いかな」という気持ちでした。でもいざ走ってみると良いタイムが出て、この結果です。率直に嬉しいです。本番に強いということはあると思います。

Q:直前の夏休みはどのように過ごしていましたか?

しっかり練習しようと思ってたんですが、師匠のレースが続いていて、一緒にバンクで練習することはあまりできませんでした。その代わり街道練習多めでやってきました。

みっちり練習はできませんでしたが、その分リフレッシュはできたと思います。家でダラダラしたり、友達とご飯に行ったり……

Q:友達に、養成所のこと根掘り葉掘り聞かれません?

そうですね(笑)やっぱりここでの生活は、話すと面白いみたいです。

Q:今後さらに鍛えていきたいのはどのような部分ですか?

他の候補生と比べてもダッシュ力が格段に弱いと感じます。卒業までに改善していきたいです。

選手になってからの最終目標は、夢は大きくグランドスラムです。

「夏休みは寝込んでた…」髙橋舜(宮城)

Q:スポーツ歴を教えてください。

中2の時はバスケをしていて、父と兄が自転車をやっていた影響で、中3くらいから自転車競技を始めました。

Q:では今回夏帰省をして、何か叱咤激励などありました?

それが、帰省中は体調を崩していて……最初は地元の競輪選手と練習してましたが、後半は寝込んでいましたね……

Q:よくそこから持ち直して、ゴールデンキャップを獲得しましたね!

気持ちを入れ直して頑張りました。ゴールデンキャップを獲れたことは嬉しいですが、200mと1000mのタイムに納得がいっていないので、悔しい気持ちもあります。

1000mは得意種目なんですが、今回は後半でタレてしまいましたね。前半は良いペースに乗せられたんですが。

Q:ここから卒業までの間で強化していきたいことはどんなことですか?

体重があまりないので、ここからウェイトトレーニング、筋トレをして、たくさんご飯を食べたいと思っています。

Q:好きな食べ物は?

カレーです!

Q:カレーなら養成所でもよく出てきそうですね。

はい、昨日も出ました(笑)

髙橋舜, ゴールデンキャップ, 第125・126回生第2回記録会, 日本競輪選手養成所(JIK)

ネコチャン見た時の顔で!とオーダーして出てきた顔

Q:選手になってからの目標を教えてください。

持久力がある方なので、それを活かした先行をしていきたいと思っています。先行で勝ち進んで、18連勝を狙います。

Q:最後に、学科考査に向けての意気込みを聞かせてください。

学科考査は……全部60点以上!頑張ります。まずは追試にならないように。

「最初に名前が挙がる選手になりたい」中村龍吉(福島)

Q:スポーツ歴を教えてください。

福島県出身で、学法石川から中央大学に進学。高校から大学まで自転車競技をやっていました。競技歴は8年になります。

もともと親の影響でバイク、モトクロスをやってたんですが、震災の影響もあってモータースポーツから離れてしまいました。モータースポーツって親がいないとできないことなので。そこから自分ひとりでできるスポーツを探っていく中で、自転車も好きだったので、マウンテンバイクなどをやり始めました。

高校から本格的に自転車競技を始めて、最初はロードをメインに活動。ツール・ド・フランスを目指すような気持ちでジュニアのナショナルチームにも入っていましたが、やっぱり世界はレベルが高くて……大学に入ってからはトラック競技の中長距離に移行して活動してきました。マディソンなどを走っています。

窪木一茂, KUBOKI Kazushige, JPN, ウィリアム・ティドボール, TIDBALL William, GBR, ツーア・デンス, DENS Tuur, BEL, 男子スクラッチ, MEN Elite Scratch Race, 2023世界選手権トラック グラスゴー, 2023 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK Glasgow, Great Britain

窪木一茂も学法石川卒のトラック中長距離&競輪選手

Q:ではナショナルチームで活動したいという思いも?

はい、一度選考合宿に呼ばれたこともあったんですが、結果的には入れませんでした。でもナショナルチームに関わる場所に、自分からアピールしていました。

Q:競技の道もある中、競輪選手の道を選んだ決め手を教えてください。

中長距離では食べていけない、という部分ですね。大学1年の頃にオーストラリアに行った際、現地の方に「日本人は競輪選手という道がある、羨ましい」と言われました。自分が競輪選手としてどこまでやれるか試したいと思っています。

Q:そういう部分も踏まえると、中長距離出身でゴールデンキャップを獲ったことは後輩にも良い指標になるかと思います。

自分が中長距離代表ということは考えていなくて、あくまで目標は早期卒業でした。今回目標に届かない結果で、最低限ゴールデンキャップが獲れて安心してる……みたいな気持ちです。獲れて嬉しいですけど、「届かなかった」とは思いますね。

Q:競輪選手になってから、どのような選手になっていきたいですか?

「北日本を代表する選手」になりたいです。新山さんなど、先行で強い選手が多い地区ですが、その中で「強いのは誰だ?」となった時、最初に名前が挙がる選手になりたい。

今年の候補生でも北日本で強い人が多いですが、たぶん一番最初に名前が挙がるのは中石湊だと思います。これからの養成所生活で中石よりも目立てるように、先に名前が挙がるようになりたいと思っています。

日本競輪選手養成所のゴールデンキャップとは?