2023年8月3日〜8月9日にイギリス・グラスゴーで開催される『2023世界選手権トラック』。日本ナショナルチームからは全19選手が派遣され、世界No.1の座を懸けて戦う。

そんな日本トラック競技ナショナルチームの特色の1つは、チームに競輪選手が所属していること。19人の派遣選手のうち、10選手が競輪選手だ。

本記事では『世界選手権トラック』と関わりのある競輪の制度についてご紹介していく。

『2023世界選手権トラック』に出場予定の競輪選手

選手名 府県/期別 班級 『2023世界選手権トラック』出場種目
小原佑太 青森/115期 S級1班 チームスプリント
寺崎浩平 福井/117期 S級1班 スプリント, ケイリン
太田海也 岡山/121期 S級2班 スプリント, ケイリン, チームスプリント
中野慎詞 岩手/121期 S級1班 ケイリン, チームスプリント
窪木一茂 福島/119期 S級2班 マディソン, チームパシュート
橋本英也 岐阜/113期 A級1班 エリミネーション, チームパシュート
太田りゆ 埼玉/112期 L級1班 スプリント, ケイリン, チームスプリント
佐藤水菜 神奈川/114期 L級1班 スプリント, ケイリン, チームスプリント
梅川風子 東京/112期 L級1班 スプリント, ケイリン, チームスプリント
内野艶和 福岡/120期 L級1班 スクラッチ, ポイントレース, マディソン, チームパシュート

※2023年7月31日時点

『2023世界選手権トラック』派遣選手団発表/8月 イギリス・グラスゴー

特別昇級・昇班

窪木一茂, 男子マディソン, MEN’S Madison, 2023アジア選手権トラック, 2023 Asian Track Championships Nilai, Malaysia

「特別昇級・昇班」とは男子競輪選手が対象となる制度。男子競輪選手はA級3班から頂点のS級S班までの6つの級班に格付けされており、一定の成績を収め条件をクリアすると即座に昇級班の権利を得られる(女子はL級1班のみなので対象外)。

条件は主に2つ。

・完全優勝(開催中全レース1着での優勝)を連続3回すること
・レインボーカップ*に出走し1着から3着となること

どちらも”競輪”での成績に基づく条件だ。しかし例外が1つだけある。それが『オリンピックトラック競技種目』と『世界選手権トラック』のいずれかで3位までに入賞すること

今回の『2023世界選手権トラック』でも、表彰台入りを果たせば特別昇級・昇班の権利を得ることができる。

※レインボーカップ:A級1・2班と3班それぞれのトップ9が特別昇級をかけて競う年2回のレース

『2022世界選手権トラック』スクラッチで銀メダルを獲得した窪木一茂は、この制度の対象となり、当時のA級2班からS級2班へと特別昇班を果たした。

窪木一茂 S級おめでとうインタビュー「もしマディソンで優勝したら……」/2022世界選手権トラック

今回の『2023世界選手権トラック』にて特別昇級チャンスの対象となるのは、2023年7月現在「A級1班」に在籍する橋本英也。

橋本英也, 男子エリミネーション, MEN'S Elimination 2023トラックネーションズカップ ジャカルタ, 2023 TRACK NATIONS CUP Jakarta, Indonesia

橋本は競走得点的にはS級昇級の基準を満たしているものの、出走回数が規定回数に達していたなかったため、現時点でもA級にとどまっている。世界選手権でメダルを獲得すれば昨年の窪木のようにS級2班へ特別昇級となる。

JKA「競輪に係る業務の方法に関する規定」第81条

『2023世界選手権トラック』直前のインタビューでは、この特別昇級も踏まえた大会への意気込みを語っている。そちらもご覧いただきたい。

記憶に残るレースをしたい 橋本英也インタビュー/2023世界選手権トラック直前企画

グレードレースに出場チャンスも!

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