全国各地の競輪場で毎年数回行われている「トラックサイクリングキャンプ」。2023年7月8日〜9日の2日間、12歳から30歳までの女性を対象とした「トラックサイクリングキャンプ in 平塚競輪」が開催された。
本イベント2日目に潜入した編集部が、トラックサイクリングキャンプの模様をレポートしていく。
バリエーション豊かな参加者たち
平塚競輪場で開催された今回のトラックサイクリングキャンプ。
全国から集まった今回の参加者は20人弱。自転車経験者・未経験者の割合は半々ぐらいで、年齢は13歳の中学1年生から20代後半の社会人までと幅広い。
経験者の中には「普段から自転車に乗っている人」もいれば、「トラックサイクリングキャンプに複数回参加しているが、普段はあまり乗る機会がない」という人も。
「鳥取から来た」という参加者もおり、年齢や経験値だけでなく、出身地も様々となった。
本格機材を無料でレンタル
キャンプでは参加者のレベルによってグループ分けを行い、それぞれのレベルに合わせたトレーニングが実施される。……ということで、もちろん「自分のピストバイクを持っていない」初心者もいる。
そういった参加者でも、自分に合ったピストバイクのレンタルが可能(しかも無料!)。これから始める方にとっては「自分に合うバイクのサイズを知ることができる」という点でも魅力的かもしれない。
ヘルメットやペダルに足を固定する専用のシューズ(ビンディングシューズ)なども、無料でレンタルできる。
トレーニングを指導するのは自転車競技コーチの資格を持つ講師とアシスタントコーチたち。専門家に質問したり、アドバイスをもらいながら自分のペースでプログラムを受けることができる。
本当に初心者?たった1日でこの走り
しっかり準備体操をした後、ピストバイクでウォーミングアップを始める参加者たち。ヘルメットとビンディングシューズを装着し、いざバンクへ。
初心者も参加していると聞いていたが……そこにあるのは慣れた様子でピストバイクを乗りこなす参加者たちの姿。たった1日しか練習していないのに(取材は2日目に実施)、ビンディングシューズをペダルにカチッとはめ込み、ラインの上をブレずに走っている。
講師を務める野田尚宏コーチに思わず聞いてみた。
「慣れているように見えるかもしれませんが、実は昨日までビンディングシューズをペダルにはめ込むことが出来なかったり、ギアが固定されているピストバイクに乗るのを怖がっている方が大半だったんですよ。ロードバイクすら乗ったことのない参加者もいます。
でも我々講師やスタッフがしっかりコーチングを行い、段階を踏んだ練習を行うことで、2日目には案外乗れるようになるんですよね」
Bチームの午前中の練習は
・バランス取り (トラック1周)
サドルを持って前に進む
・乗り出しと止まる練習(半周ずつ)
・ビンディングの脱着練習
・退避路での周回練習最後はAチームと一緒に
・スタンディングスティル
(静止して、バランスの練習)転んだりしながらも頑張っていました😊 pic.twitter.com/vulPiRtkPA
— トラックサイクリングキャンプ (@TrackCycleCamp) July 8, 2023
野田コーチにお話を伺っている間にも、バンクでは参加者たちが慣れた様子でピストバイクを走らせる。隊列を組んで先頭交代したり、バンクの高い場所を走ったり。
しかしもちろん個人差はあるため、自信のない参加者は無理せず平坦な走路で練習を続けられる。
コーチたちも「無理せず自分のペースで!」と声掛けを行っていた。
空模様が怪しく……
午前9時ごろから始まった2日目のトレーニングだったが、次第に空模様が怪しくなる。雨がパラつき始めたところで、安全のために参加者は一旦屋内へ。
一旦ピストバイクとお別れし、参加者が向かったのは検車場。競輪のレースを行う前に、出走選手の自転車を点検する場所だ。
そこに用意されていたのは……2台のワットバイク(Wattbike)。
多くの自転車競技者に使われている、屋内用トレーニング器具だ。ここで「ワットバイク リレー」が突如開幕した。