『みちのく記念 善知鳥杯争奪戦(G3)』を制したのは吉田拓矢(茨城)。注目のルーキー中野慎詞(岩手)は決勝で9着となり、プロデビュー後初の黒星となった。

2022年9月8日~11日に青森競輪場で開催された『みちのく記念 善知鳥杯争奪戦(G3)』。今開催の注目はなんといっても、デビュー以来27連勝と新連勝記録を作った中野慎詞(23歳:岩手)が初めてグレードレースであるGIIIに出走。競輪のトップであるS級S班の選手たちへ挑み、どういった結果を残すのかへ注目が集まった。

現在日本ナショナルチームで活躍する中野慎詞は8月末に実施された自転車競技、2022全日本選手権トラックのケイリンで優勝し、競技では自身初の個人タイトルを獲得した。

今開催の出場選手には同じくナショナルチームに所属し、地元で優勝を狙う新山響平、そしてS級S班からは郡司浩平(神奈川)、清水裕友(山口)、吉田拓矢(茨城)と3人が出場。

初のグレード開催に出走した中野は、開催3日目までを1着とし、連勝記録を”30”にまで伸ばして迎える決勝。

メンバーは以下の9人

1番車:中野慎詞(岩手)
2番車:清水裕友(山口)
3番車:和田真久留(神奈川)
4番車:三谷将太(奈良)
5番車:新山響平(青森)
6番車:内藤宣彦(秋田)
7番車:吉田拓矢(茨城)
8番車:椎木尾拓哉(和歌山)
9番車:郡司浩平(神奈川)

レースはスタート後に清水がペーサーを追いかけていき、並びは以下となる。

清水-三谷(中四国ライン)、郡司-和田(南関東ライン)、中野-新山-内藤(北日本ライン)、吉田-椎木尾

残り2周を前に最後尾の吉田ー椎木尾のラインが上がっていくと、郡司が吉田をけん制し、隊列が乱れたところで吉田ー椎木尾が北日本ラインの前に位置取る形となる。

残り1周半、ペーサーの離脱と同時に駆けだしたのは先頭の清水と7番手の中野。

しかし先頭の清水が一気にペースを上げたことで、隊列の全体のスピードが上がり、中野は3、4番手あたりまで位置を上げるが前に出れず。一方で北日本ラインの新山は後ろで勝負時を待つ展開となる。

残り1周を切ったところで再び中野が仕掛けるが、郡司ー和田のラインが外に膨らみけん制すると、中野は失速していく。郡司ー和田ラインがけん制して空いた内側のスペースを利用した吉田が3、4番手まで位置を上げていく。

残り半周を切ると、今度は3番手だった郡司が外から仕掛けていく。3コーナー付近で2番手にいた和田が郡司をブロックすると、再び空いたスペースに吉田が入り、2番手となる。そして最終ストレートを抜けると清水をかわして単独先頭となり、そのままフィニッシュラインを駆け抜けた。

2着には吉田を追走した和田、3着には郡司、4着に大外から最後に位置を上げた新山、先行した清水は8着、中野は9着で初のG3出走で迎えた決勝を終えた。

優勝は吉田拓矢、2位に和田和田真久留、3位は郡司浩平という最終結果となった。

単純に力だけでは勝てない

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