子供の頃はオリンピック、ジブリ、それかジュラシックパーク

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チラシと母親の“一言”で始まる

Final / Women Keirin / ASIAN TRACK CHAMPIONSHIPS 2020

小林選手はバレーボール部出身。最高実績は高校の時のインターハイ16位だ。

朝4時から夜の11時まで厳しい練習を繰り返していたが、小さい頃から観ていた夢の舞台には届かなかった。

バレーボールで燃えつきた小林選手は大学では乳幼児保育を専攻し、一時はスポーツの道を諦めかけた。しかし母親の一言、母親の持ってきたチラシで競輪への道が突如目の前に現れた。

「お母さんから『あんたが保育士は無理だと思う。替わりに良いこと見つけたよ』と持ってきたのがガールズケイリンのチラシだったんです。これだったらオリンピックに行けるかもと(笑)」

一回挫折を経験した人は強い

小林優香, ガールズグランプリ, KEIRINグランプリ2021 静岡競輪場

思い立った時は競輪学校(現:日本競輪選手養成所)の応募締め切り3日前。しかし小林選手はすぐに応募し、見事合格。

2014年にプロデビューすると、2015年には史上最強と称されてガールズグランプリを制覇し、瞬く間にトップ選手へと駆け上がった。

そして2021年、夢の舞台“オリンピック”のスタートラインに立つ。自転車競技選手としての階段を文字通り駆け上がっていった。

躍動の理由は様々あるが、バレーボールで培った身体能力、そして挫折を味わったことが大きい。

小林優香 ,KEIRINグランプリ2021 前検, 静岡競輪場

「一回挫折をして、もう一回この道を行くと決めた人は強いし、覚悟が決まっていると思います。

競輪が日本にあって、このスポーツに巡り合うことが出来て私は本当に良かったです。 小さい頃から夢見たオリンピックという舞台に立たせてもらったのも競輪があったからです。チラシを見つけてくれた母にはその部分では感謝しています。その部分以外ではちょっと厳しめですが(笑)

バレーボールをやっていたことで心肺能力や基礎体力が培われているので、体力的にもなかなか疲れない。私の長所でもある長い距離をもがける持久力にも繋がっているかと思います。ただ、競輪は一瞬で出し切ることが求められるので、そこは順応する必要がありました」

スタートラインに立つことは誇り

小林優香, KEIRINグランプリ2021共同記者会見

他に同じような他競技経験者たちにも競輪を勧めるか?そう問いかけると 「トレーニングで自転車に乗っていた人、才能のある人々が競輪に来たらどうなるのかワクワクする」と小林選手。

お勧めする理由には小林選手の競輪に対しての感謝や感じている魅力が溢れる。

「スタートラインに立って応援してもらうこと。優勝した時の自分の喜びの爆発。凄く特別なことで誇りに思っています。

もちろんお金を賭けてもらっている責任もあるし、プレッシャーがあります。その中で勝つことは、プレッシャーに打ち勝ったということでもありますし、勝てたこと自体も嬉しいですし、お金も貰えますし、3倍で嬉しいです」

小林優香, 女子ケイリン, 2021全日本トラック

ここにオリンピックに出場できることまで加わったら小林選手のうれしさは4倍にもなる。

もちろん嬉しい、楽しいだけではなく、プロとして厳しいトレーニングに耐えなければならないし、勝てなければ風当りも強くなる。しかしネガティブな面を補ってしまうような魅力が競輪選手という職業にはある。

 

「こんなスポーツ、他にないだろ?」

 

今後小林選手が目標とするのはオリンピックでの更なる活躍、そして再びガールズケイリンのトップに返り咲くことだ。

「走り続けるアスリート篇」30秒

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