すべて自分次第、それが競輪選手

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ダメな時に結果を出せた 人生最高のレース

Q:郡司選手のこれまでで人生最高のレース、1つ挙げるとすればどのレースになりますか?

ひとつに絞って即答することはできないんですが……G1の優勝はもちろん思い出深いです。でも挫折というか、なかなか上手くいかなかった時期に優勝できた時のことも印象深いですね。2018年の小田原記念でした。

Q:それはどのようなレースだったんでしょうか?

2017年はグランプリに手が届かなくて、2018年に入っても思うような成績が出ず、地元のレースでも勝てないでいた時期でした。そんな時に出場した小田原記念で、S級S班の選手もいる中、一番人気にしていただいたんです。とてもプレッシャーがありました。

でもその状況で結果が出せたんです。調子も悪く、他にも強い選手がいた。そんな中でも応援してくださる人がいるんだなと感じましたし、プレッシャーの中で勝てたことが自信にもなりました。そういうレースの方が、思い出深いかもしれないですね。

Q:レース内容が、ということではなく?

そうですね。ダメな状況の中で結果を出せたことが良かったなと思います。

Q:レース前、検車場などでオッズを見ることができますが、あれを見るとやはりプレッシャーになりますか?

人によるとは思いますが、僕は基本的にあまり気にしないタイプですね。一番人気なら「おっ、俺人気になってるな」と思いますし、逆に人気がなければ「見返してやろう」と思います。ポジティブに考えることが出来ています。

Q:人気のある時、人気のない時、どちらの方が上手くいきますか?

ない時ですね。見返してやろう、と闘志がわきます。直接的に結果に影響は出ないと思いますが、気持ち的には上がります。

野球と競輪、面白さは変わらない

Q:メジャースポーツである野球から競輪にやってきた郡司選手だからこそ思うことって、ありますか?

野球やサッカーは日本のメジャースポーツで、野球をやっていた頃は面白さ、楽しさを存分に感じていました。競輪を始めた時、僕にとっては全く知らない世界ではありましたが、やっているうちに面白さや楽しさを感じるようになりました。

この両者の楽しさ、面白さって、同じくらいあると思うんです。でも世間の認知度、人気としては大きく差がある。なんでだろうと思います。もっとメジャーにしたいなという思いも出てきました。若い人たちにも楽しんで欲しいし、若い人たちが目指すものでもあって欲しい。そのためにも勝って、知ってもらうために頑張っていきたいなと思います。

Q:応援される時、こんな言葉をもらえると嬉しいなどはありますか?

正直、これというものはないです。「がんばれ」とかそんなので全然嬉しいです。声をかけていただくこと自体が嬉しいですし、気持ちも昂ります。走る側としてはそれだけでやりがいを感じられます。

Q:女性からの黄色い声援が聞こえたら?

ちょっと……見ちゃうかも……(笑)

でも実際、女性の声、若い人の声って耳に飛び込みやすいですよね。業界としてもそういう方々は歓迎していきたいだろうな、と思います。

1年間ここに向けてやってきた

Q:郡司選手にとって、KEIRINグランプリはどのような位置付けのレースですか?

まずは出ることが目標のレースです。競輪選手ならば誰もがグランプリを目指していますし、注目度も高い。普段競輪を観ない人でも、これだけは観るという方もいらっしゃいます。そういう面も含めて、一番大きいレースなのかなと思います。

Q:では最後に、KEIRINグランプリ2021の意気込みをお願いします。

1年間ここに向けてやってきました。ここで優勝することで、自分自身がどう変わるのか発見していきたいなと思っています。優勝して業界全体を変えていきたい、という想いも強いです。