寬仁親王牌で優勝し「KEIRINグランプリ2021」への出場権を獲得した平原康多選手。前編に引き続き後編では、平原選手の考え方、知られざる一面について触れていく。

「飽くなき探究者」 平原康多インタビュー【前編】KEIRINグランプリ2021

プロ競輪選手

Q:自分自身を「プロのアスリート」「職業レーサー」など、どういった捉え方をされていますか?

もちろんレースは、プロとしてしっかり走る気持ちでやっています。でも練習中は、そういう気持ちよりも「発見」や「楽しみ」がかなり大きいので、難しいですね。

レースは、プロの競輪選手として走ります。アスリートは自分だけで戦う必要があると思うのですが、競輪では1人で戦っているとは思いません。仲間あっての自分なので、そういうことも含めると「プロの競輪選手」だなと思います。

KEIRINグランプリ2020 脇本との連携

Q:因みに平原選手にとって、目標とされている選手はいますか?

あまり考えたことはないですが、少し前の脇本(雄太)選手は「世界一の脚力」と思うくらいの走りっぷりで、一緒に走っていてもそれを感じました。

根本に脚力がある上で”何でもできる”ような選手が一番の目標。“この人”とは考えたことがないです。もちろん先行で戦って押し切れるのが最強だとは思いますが、相手がいる競技なので思うようにいかないことも多いです。

そんな状況だとしても、どうしようもないほどの強さのある選手になることが目標です。でも「まだまだ遠く及ばない」と、ずっと思っています。

来年で40代に突入しますが、その年でも可能性がある競技なので、頭の中にあるイメージを追い求めてやる事が楽しいんじゃないかと思います。

Q:昨年(2020年)のグランプリでは平原選手と脇本選手の連携が実現しましたね。

自分は自力選手なので「この選手につきたい」とは、基本的に思いません。でも当時の脇本選手は、地区は関係なく魅力のある選手でした。自分の今後を考えたときに、得るものが絶対に多いなと。その上で、グランプリ優勝への近道なのかなということを考え、葛藤しました。

Q:その”得るもの”は結果的にたくさんあったのでしょうか?

色々ありましたので、かなりプラスになりました。スケールが違いましたし、自信にみなぎった雰囲気がひしひしと伝わりました。

Q:前に脇本選手、後ろに平原選手でしたが、平原選手の考える、後ろに付く選手としての心構えとはなんでしょうか?

まずは離れないこと。レースの流れもあるので臨機応変にやりますが、離れるのが一番迷惑だと思うので。

競技では世界を経験、だが競輪に重きを置く

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