毎年12月30日に行われる競輪界最高峰のレース『KEIRINグランプリ2021』。2021年を駆け抜けた競輪界のトップ選手である9人が、約1億円の賞金と「王者」の名誉をかけて競い合う。
10月に開催された寬仁親王牌で優勝し「KEIRINグランプリ2021」への出場権を獲得した平原康多選手へのインタビューを、前編/後編の2回に分けてお届けする。
平原康多プロフィール
埼玉87期、39歳。2021年は『第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)』を制し、賞金ランキングは3位。
KEIRINグランプリ初出場となった2008年大会では、アテネオリンピックのチームスプリント銀メダリストである井上昌己に敗れ惜しくも2着となっている。KEIRINグランプリには2013年以降9回連続で出場しており、2021年で通算12回目の出場。未だ優勝は果たせていないものの、競輪界のトップ、S級S班に君臨し続けている選手だ。
2021年の主な成績
第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)
”楽しい”が仕事になって続いている
Q:親王牌を制してのグランプリ出場ですね。
親王牌でもそうですけど、優勝はその時の結果でしかありません。レースの次の日から上の選手を追いかけ、何とか追いつけるように追い越せるように、と常に思っていますね。
Q:2002年にデビューしてから、およそ20年経ちます。第一線を長く走り続ける秘訣はなんでしょうか?
「競輪選手が仕事」というのは大前提にありますが、そういう気持ちでやっているわけじゃないんです。
自転車は趣味で“楽しい”の気持ちが先にあって、それが仕事になっているという順序ですね。
Q:平原選手は中学校の頃に野球やサッカーをされていましたよね。それでも競輪選手になったのはお父さんの影響でしょうか?
父が選手じゃなかったら知る機会もなかったし、知らずに一生終えていたのでは?と思います。競輪をもっと盛り上げたいという気持ちはすごくあります。
※父:平原康広、弟:平原啓多共に競輪選手
競輪の魅力
Q:平原さんにとって、競輪の魅力とは何でしょうか?
ライン戦に映し出される、人間関係や信頼関係ですね。実際にレースを観ないと伝わらない部分がありますし、何回も観てもらいたいです。とにかく奥が深すぎる。
最初はスピードであったり、人と人とのぶつかり合ってるところを観たり……駆け引きを生で観てもらうのが、魅力を知る一番の近道かなとは思います。ハマってもらえば、奥深い部分もわかってもらえるのかなと。