企業に頼らないアメリカ

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香港を支えるのは”あの”飲み物

Final / Women's Sprint / Track Cycling World Cup VI / Hong-Kong

ワールドカップ開催地であり、最強女子スプリンター「リー・ワイジーを擁する香港。

watsons water 屈臣氏蒸餾水」は香港に拠点を置く、1903年から蒸留水を製造・販売する企業だ。製品はアジア太平洋地域を中心に販売されている。

そして「POCARI SWEAT(ポカリスエット)」ロゴ。日本人も見慣れた、大塚製薬の清涼飲料水だ。

しかし香港チームのポカリスエットは、香港の「香港大塚製薬」によるもの。香港のポカリスエットは自転車の他にもバスケットボール、マラソンなどをサポートしている。

左胸の「HKT」は香港最大級の通信会社である「香港電訊」。ジャージは創設者が香港と関わりのある「Champion System」がスポンサーを務める。

日本

Qualifying / Men's Sprint / 2020 Track Cycling World Championships, Nitta Yudai 新田祐大

日本は競輪を統括するJKAによる「競輪の補助事業」や「イオン」をはじめとする民間企業がスポンサーとなり、活動を支援している。

中でも「株式会社NIPPO」は1985年に「日本鋪道レーシングチーム」を発足して以来、「ツアー・オブ・ジャパン」への出資など数十年に渡って日本の自転車界に貢献し続けている。タイトルスポンサーを務める「イーエフ・エデュケーション・NIPPO(旧:NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)」が、2021年UCIワールドチームとなった。

また、トラック日本ナショナルチームのジャージはスポーツウェアメーカーの「デサント」が手がけている。自転車以外にも様々なスポーツでジャージスポンサーを務め、日本のトップアスリートを長年支え続けている。

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そのほか、競輪オンライン投票サイト「楽天Kドリームス」によるトラック競技強化事業の支援、自動車メーカーの「スバル」や自転車・バイクのヘルメットの「OGKカブト」、不動産会社の「日商エステム」、産業廃棄物の処理などを行う「東港金属」といった様々な業界の企業が日本ナショナルチームを支えている。

1人では勝てない、それがプロスポーツ

トラックワールドカップ

ヨーロッパ諸国と比べ、自転車競技がマイナースポーツという位置付けにあるアジア諸国や欧米(アメリカのBMX除く)。

マイナースポーツだからこそ、世界で生き残る為にはアメリカのような独自の方法から、民間企業によるスポンサー、政府の支援など資金集めの方法は様々。

また日本や香港のような自転車がマイナースポーツの小さな国でも、梶原悠未やリー・ワイジーなどの世界チャンピオンを輩出している。スポンサーを始め、選手の努力、チームスタッフ、ファンなど全員の想いが1つとなり、得た結果だ。

プロスポーツには多くの関係者が関わり、成り立っていることが改めて分かる。