中長距離選手は炭水化物がより必要となる

短距離選手の炭水化物の必要量は中・長距離選手と比べると少なく、後者の選手たちの方がより多くの炭水化物が必要とされる。

1年を週毎になど短期的な期分け(ピリオダイゼーション)しながら、炭水化物の摂取量を1年以上のスパンで調整していく。炭水化物の必要量が少ない短距離選手も、トレーニングの内容やセッション数によっては多く摂取する必要もある。

チームの栄養士やシェフ達は”3分の1法則”に従い、選手たちの栄養を管理している。3分の1法則とは、食事のプレート3等分し、タンパク質・炭水化物・野菜などのビタミン系に分ける事だ。

野菜も体の免疫力や新陳代謝を向上させ、コンディショニングにも大きく影響する事からタンパク質と炭水化物と同様に外せない大事な栄養素と言える。

「中・長距離の選手はレース当日の朝に大量の炭水化物を中心としたポリッジ(日本で言うおかゆのようなもの)などを大量に摂取し、スタートの2時間前まではパスタや米、1時間前はパンとジャムのような消化と吸収が速い食べ物を摂取するべきだ」とオーストラリアトラックチーム栄養士のアリ・ディッシャー氏は述べている。

緊張が原因で普段よりも上手く消化できなかったり、内臓の調子が悪い時はスポーツドリンクなどの液体系でもエネルギーを補う事はできる。しかし、レース当日に上手く食事が出来ない選手の場合は、前日から大量のタンパク質と炭水化物を摂取しておく必要がある。

1日最低1.5リットル

さらに、トラック競技の場合はロードレースのようにレース中の水分補給が不可能なため、水分補給も重要な項目となってくる。

選手が必要とする水分量はレース強度や競技時間、ベロドローム内の気温によっても変わってくるが、1日最低1.5リットルは必要と言われている。一度に沢山飲むよりも、少しずつ飲む方が体内の水分含有量を維持できる。電解質ドリンクは血液を通じて筋肉へとナトリウムを届けるため、パフォーマンスの最大化には効果的だ。

成功への鍵

食事と栄養学に対しての正解は未だ確立されてはいない。しかし選手個人に合った摂取カロリーとPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物・・・・・野菜も忘れないでね)をトレーニング強度とレース内容に合わせ、適切な体重と筋肉量で挑む事が優勝への重要な要素となると言えるだろう。

出典:UCI Fuelling track success
参考:スポーツ栄養はタイミングが重要 | 大塚製薬

摂取カロリーすんげぇ!トマシュ・バベク(Tomas Babek)選手の一日に密着