アジア選手権2024は2月21日から26日で実施されている。その中でチラホラと聞こえてくる「お腹を下した」という選手たちの声……
インドに来る前から”具合が悪くなる”、”水には注意”、”地面からの埃がのどに悪影響を与える”など様々な現地情報が入ってきていた。
実際に現地で取材を行うと、確かに環境は厳しい。とはいえこれはどこの国にとっても同じことなので、特に誰かに有利ということは無いだろう。
こういった環境下でパフォーマンスを発揮するためには、食べ物や飲み物に注意することが大事になる。取材班はアジアのトップを争う中国とマレーシアに食事情を聞いてみたところ、最後には思わぬ発見をしてしまった。
「YOUの国から持ってきている物はありますか?」
まずは我らが日本は「OKOME」!
日本チームはチームとしても個人として主に「米」を用意。米は静岡県函南町にある”芹澤ライスセンター”から提供を受けて用意している。今回はホテルの食事に心配が無いということで、その他はあまり特別なことをしていないということだ。
毎回おにぎりを持参する日本チームは何度もHPCJCのSNSや選手のSNSなどで紹介されている。
ホテルの食事以外でも、エネルギー補給が重要となってくるので、スタッフ(@japanhpc )が作ってくれるおにぎりは絶対に必須😋✌️味も色々ありますよ~
ご提供は「芹澤ライスセンター」さんより🍙
芹澤さんのお米はこちら👇https://t.co/SnaGSXnka5…#ひのひかり#芹澤ライスセンター pic.twitter.com/qv3qDfViDr— 窪木一茂 / Kazushige Kuboki (@kakka0606) February 23, 2023
アジア選手権のためにインドに来ています。
3度目のインド
このインスタント味噌汁が旨い🍴 pic.twitter.com/NJsIqdphsJ— 窪木一茂 / Kazushige Kuboki (@kakka0606) February 19, 2024
ただ、投稿からも分かるように味噌汁など、選手たちが各々に必要な物を持ち込んでいる面もある。
やっぱりお米!
中国は「MEN」
そして次は中国。テオ・ボス短距離ヘッドコーチに事情を聞いた。
![テオ・ボス, Theo Bos, CHN, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/013_AL100014.jpg?resize=1960%2C1307&ssl=1)
テオ・ボス
「選手たちは麺を持ってきているね。麺はどうやら手放せないみたい。あとは日本でいう漬物みたいな物を持ってくる人もチラホラ。でも基本はホテルでの食事だよ。俺?俺はチーズかな。オランダ産のゴーダチーズを北京で手に入れて、ここまで持ってきているよ。それを部屋でカットして赤ワインをデニス(・ドミトリエフ)と一緒に……たまにね(笑)」
![ジン・シーハン, JIN Zhiheng, リ・チーウェイ, LI Zhiwei, リュウ・クワン, LIU Kuan, デニス・ドミトリエフ, CHN, 男子チームスプリント 予選, MEN'S Team Sprint Qualification, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/52_AL100303.jpg?resize=1960%2C1307&ssl=1)
デニス・ドミトリエフ
中国チームにとって、日本チームの米に相当する物は「麺」。乾麺をポットで茹でる?なかなか難しそうな調理法かもしれない。
日本は米、中国は麺。それではアジアで日本と覇を争うマレーシアはどうか?
マレーシアのジョーン・ビーズリー(John Beasley)ヘッドコーチに伺うと……
マレーシアは「NASI」
![ジョーン・ビーズリー, John Beasley, MAS, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/001_AL100002.jpg?resize=1960%2C1307&ssl=1)
ジョーン・ビーズリー(John Beasley)ヘッドコーチ
「別に特に何も持ってきてないよ。日本は綺麗だからこういった国に来ると問題があるかもしれないけれど、我々にとっては特に問題が無いかな」
マレーシアは特に無し。確かにマレーシアはインド料理も有名だし、食文化が似ていることから大きな問題はないのだろう。
これだけだと物足りないので、日本のお隣のピット、ウズベキスタンチームにも直撃。
お腹がヤバいよ ウズベキスタン
![グレン・グロイスマン(Glen Groysman)ウズベキスタンチームマネージャー, UZB, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/058_AL100298.jpg?resize=1960%2C1307&ssl=1)
グレン・グロイスマン(Glen Groysman)ウズベキスタンチームマネージャー
「私たちも特に何かを持ってきていることは無いかな。でもチーム内では既に水かな?お腹をやられている選手が数人……ヤバいよ」
やっぱり何も無いか、でもお腹は下しているのか……ただし取材班にはウズベキスタンチームに対して気になることがあった。
でも勇敢な戦士たち
![マーガリータ・ミシュリーナ, MISYURINA Margarita, UZB, 梁宝儀 リャン・ボーイー, LEUNG Bo Yee, HKG, 女子ポイントレース, WOMEN'S Points Race, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/013_AL100264.jpg?resize=1960%2C1307&ssl=1)
彼らは全チームで唯一レンタカーを借りている。そのことを事前に調査していた取材班は質問を重ねていく。
Q:ところで、レンタカーを借りていません?
グロイスマンさん:Yes!どうして知っているの?
Q:たまたま外で見かけたんです。この国で自分で運転するなんて凄い勇気をもっているなと思って。
この国で車を運転するのはめっちゃクレイジーさ。もう既に2回ぶつけたよ(笑)
※ベロドロームに行くまでには前、横、後ろ、360°車やバイク、歩行者、野犬、牛など、何が来るか分からないような道を何度も通過しなければならない。ローカルの人たちにとっては日常かもしれないが、外国から来た人たちにとってはもの凄く危険な道が続いている
Q:えっ?マジっすか?
グロイスマンさん:何故かレンタカーを借りることが出来てね。シャトルバスを使う選択肢もあったんだけど、時間を気にすることなく移動したかったから、車を2台、スクーターを1台借りているよ。
![ウズベキスタンチームのレンタカー](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/car-1.jpg?resize=1960%2C1306&ssl=1)
ウズベキスタンチームのレンタカー
![ウズベキスタンチームのレンタカー](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/02/car2.jpg?resize=1960%2C1306&ssl=1)
よく見ると2台ともキズがある
Q:この国で運転を……あなたたちは”勇者”と呼ぶしかありませんね。あなたも運転を?
グロイスマンさん:もちろん。こんなにエキサイティングなドライブができる国は無いからね!君たちも運転した方が良いよ!
![Main Bazar by night, Paharganj known for its concentration of hotels, lodges, restaurants, dhabas and a wide variety of shops catering to both domestic travellers and foreign tourists, especially backpackers and low-budget travellers.](https://i0.wp.com/morecadence.jp/wp-content/uploads/2024/01/hadynyah-_-Getty-Images.jpg?resize=1960%2C1306&ssl=1)
以前に世界一渋滞がひどいというジャカルタを経験した取材班だが、それよりも交通事情がカオスなのがインド。既に2回ぶつけていることも、それでメンタルが折れないところも、そもそものチャレンジ精神も、インドで運転を試みるウズベキスタンチームの心の強さを感じた取材班でした。
おしまい