日本国内の自転車競技を統括するJCF(日本自転車競技連盟)。それぞれの自転車競技で強化指定選手の選抜や国際大会への派遣などを行なっている団体だ。その活動は様々な支援によって支えられている。
本記事ではJCFの公式スポンサーを務める全9社(2023年現在)の内の1つ「サイクラーズ株式会社」について、実施したインタビューとともにご紹介していく。
「サイクラーズ株式会社」ってどんな会社?
基幹企業となる「東港金属株式会社」をまとめる「サイクラーズ株式会社」。「サーキュラーエコノミー」を追求し続けている会社であり、基幹企業の「東港金属株式会社」は1902年に創業された故銅店をルーツとし、100年以上の歴史を誇る。
「サーキュラーエコノミー」とは再生し続ける循環型経済構造のこと。製造に関わる、開発・調達・製造・販売・製品利用・リサイクルにおいて、ありとあらゆる無駄をなくし、全てのものを資源に戻す経済構造を意味している。
「東港金属株式会社」の創業以来、120年余りに渡り、資源循環型社会の実現に向けた取り組みを続けている。
2023年現在ではスクラップや産業廃棄物、不用品の回収から、分別・加工・リユースまで手掛け、再び資源や製品として販売するまでの流れを自社グループで完結できる仕組みを構築し、真の循環型経済の実現に取り組んでいる。
出典:サイクラーズ株式会社「BUSINESS グループ事業案内」
これまで、JCFの公式スポンサーになった経緯などに関するインタビューや、工場見学に伺った際の”工場潜入レポート”についてお伝えしてきた。
今回は「サイクラーズ株式会社」としての展望について伺った福田隆社長のインタビューをお届けしていく。
これまでの特集記事はこちら▼
“廃棄物”から450万円が!?
Q:本日は京浜島工場の見学をさせていただきありがとうございます。色々なことを考えさせられました。
それは良かったです。色々な物が混在している工場だったと思います。 いわゆるゴミが集まる場所ですが、たまにオフィスから廃棄されたソファーの隙間に1万円札とかが挟まっていたりするんです(笑)
Q:なんですかその話(笑)
いや本当なんです。当社では一度、450万円が出てきた時がありました。
金庫の廃棄を扱っている時だったのですが、その金庫破砕すると中から出てきた札束がベルトコンベアの上を流れているんです(笑)
『大変だ!』という騒ぎになり、ベルトコンベアを1度止めて回収しました。金庫を破砕する際に一部のお札は切れてしまったのですが、何とか拾い集めて警察へ届けました(笑)
これは極端な例ですが、どんな人がどうやってなぜ”物”を捨てるのか、そのストーリーを考えるのは面白いです。 たまに『何でこんなものが捨てられるんだ?』という発見があります。
Q:今日もありましたよ。金の仏様が捨てられていました(笑)
そうそうそう(笑)
Q:リサイクルの流れや苦労を再確認できる貴重な体験でした。「サイクラーズ」という社名は、自転車のサイクルやサイクリングと同じ「回る」「循環する」といった意味からとった名前かと思います。そういったところでも自転車競技との親和性は感じますか?
感じる部分はあります。近年はカーボンニュートラルが推奨されてきましたが、自転車は走行中に排気ガスを出さない乗り物です。
それに当社では自転車のリサイクルにも取り組んでいます。東京都大田区の廃棄・放置自転車を回収して、粉砕・分別し、資源としてリサイクルしています。