自転車競技のスポンサー、期待できる効果とは?
Q:自転車競技というまだまだマイナーな競技でスポンサーをするということは、他の人気スポーツよりも効果が得られにくい、という考え方もできます。
サーキュラーエコノミーの実現を目指す会社として、当社では採用の観点から『物も人も循環させます』と謳うことがあります。
自転車競技を継続しながらであったり、選手のセカンドキャリアとして当社に就職したり、さらには当社で勤務する人材や新卒社員が新たに自転車競技を始められる”両建ての働き方”を推進していきたいと考えています。
スポンサー効果は社内から
そうした取り組みの方がスポンサーとしての広告効果よりも見えやすく、会社としても賛同しやすいのです。
広告効果だけを期待してスポンサーをすると、『あれは社長の趣味だから』と思われてしまいます。そうした”両建て”の取り組みで人材が入社して頑張っていると、その人材から自転車競技や当社を見る目が変わってくると思うんです。
「リサイクル」から「ものづくり」へ
Q:お話を聞いていると、サイクラーズさんの事業などを全面に打ち出すというよりも、取り組んでいることに自然と支援や人材が集まってくるという印象を受けました。
そうですね。それには2011年よりJCFのスポンサーを継続してきた経験が活きていると思います。最初は広告効果も期待していましたが、なかなか難しいこともあり、違ったスポンサーとしての取り組み方を考えるようになりました。
Q:循環型(サーキュラー)エコノミーを目指すサイクラーズの今後の展望を聞かせてください。
物を循環させていくためには、ものづくりの観点が重要になってきます。
例えば、フォークリフトなどの重機のエンジンは古いものを再利用して使用されることが増えています。リビルドエンジンなどと呼ばれています。廃棄されたものを分解してみると、磨くだけで再利用できる部品などが多くあります。 自転車のパーツも同じですね。
そうした取り組みをしていると、ものづくりや製造業のノウハウが必要なことが多くあります。
今後続けていく上では、そうした製造業の方にも近づいていくと思います。 人も物も循環していくことが重要だと考えています。
『物も人も循環させる』サイクラーズ株式会社
『物も人も循環させる会社』と当社では謳っていますが、まだまだ『サーキュラーエコノミー』という単語自体も浸透していません。
物の観点では、先ほども言った通り、個々のパーツを再利用したり、素材ごとに分別し資源として再利用することで循環させることが可能です。
物だけでなく人の観点では、例えば自転車競技にフルコミットしていた人に、当社での就労の機会をセカンドキャリアの場として提供する。そうすることで競技を続けつつ仕事をし、「自転車競技を支える側」として活躍してもらうことができます。
ある意味循環していると言えます。当社ではそうした『物も人も循環させる会社』を目指しているのです。
スポンサーとともに成長する日本の自転車競技
今回は3記事にわたり、JCFの公式スポンサーを務める「サイクラーズ株式会社」について紹介してきた。
レース観戦をしているだけではなかなか触れる機会の少ない、スポンサーという立場、そして「サーキュラーエコノミー」の実現を目指すリサイクル業など。様々な世界について知れる貴重な体験となった。
日本の自転車競技がこの先も発展していくにはスポンサーによる支えが不可欠。ぜひ選手たちの活躍とともに、スポンサーたちの活動についても目を向けてみてほしい。思った以上に普段の生活と繋がっている共通点や、新たな発見があるかもしれない。
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