日本の競輪では117期唯一のS級1班で、グレードレースでも顔を見る機会の多い寺崎浩平。自転車トラック競技の選手としてはパリオリンピックを目指しており、10月末にフランス・ルーベで行われた「2021世界選手権トラック」にて国際大会デビューを果たした。

2021年末に開催される、競輪界若手No.1を決定する「ヤンググランプリ」に選出された寺崎。本記事では世界選手権という大舞台で得たもの、11月18日から始まる競輪祭の意気込み、そしてヤンググランプリに向けた展望を伺った。

初めての海外、初めての世界選手権

Q:世界選手権のレポートありがとうございました(レポートはコチラ)。そちらの内容も踏まえつつ世界選手権について改めてお聞きしたいと思います。まず初めての国外、どうでしたか?

日本以外のバンクに乗るのが初めてで、クセが強くて出しきれなかった感じがあります。

Q:時差ボケや食事は問題なかったんですよね。

はい。時差ボケはすぐ治りましたし、食事もまあ……大丈夫でした。生活的には全然問題なかったです。

Q:レポートでは改善点として「経験値、判断力、メンタル」などを挙げていましたが、一番「鍛えなければいけない」と思うのはどれですか?

やっぱり経験値ですね。ジェイソン(・ニブレット短距離コーチ)から「自信がある時は強いけど、ないときはダメになる」と言われました。

Q:自身の有無は何によって変わるんでしょうか?

相手が強いとか、自分よりタイムを出してるとか……そういうことで自信がなくなります。経験も浅いので、自信を持ってかかれないですね。世界の選手、自分より強い選手だと思うと自信がなくなりますし、新田祐大選手、脇本雄太選手相手でもそういう感じになります。

Q:それは日本の競輪でもそうですか?

いえ、そうでもないです。ラインがあるのが大きいと思います。

Q:では逆に「これは良かったな」と思った点はありますか?

そうですね……ハロン(スプリント予選の200mFTT)で、タイム自体はあまり良くなかったですが、世界と比べてどれくらいの差があるのか認識できたのはよかったと思います。

あのバンクでも9秒7くらいは出したかったです。もうちょっとタイムを出して、もうちょっと対戦もうまくやれたら、という思いはあります。

Q:かなりクセのあるバンクだったそうですね。もしこの世界選手権が伊豆ベロドロームで行われていたら、もっと結果が良かったかもしれない、ということはありますか?

東京2020オリンピックのタイムを見ると、上が9秒1や2くらい。その頃僕が9秒7くらいで……そう考えると、タイム差は0.5秒くらい。結局のところ、今回の世界選手権とタイム差はあまり変わらないんです。なかなか難しいな、という感じですね。

Q:なるほど、フランス・ルーベのバンクは全選手にとってタイムを出しにくいバンクだったんですね。

そうですね。9秒1とか2のタイムは出なかったので、ほっとした部分もありました。

3走向きの脚質、チームスプリント

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