「選ばなかったこと後悔させてやりましょうよ」

4/4 Page

オリンピックは2パターンの選手のみ

伏見俊昭

Q:伏見さんにとってオリンピックとは?

スポーツをやっている誰もが目指している場所、最高峰の舞台。そこを目標にやる人にとっては夢の舞台ですよね。

それがあるからモチベーションが保てる。練習に集中できれば、自分を追い込むこともできるものです。オリンピックって、自分が子どもの頃は「テレビで見るものだな」と思ってたんですけど、ナショナルチームに携わったのもあり、「見るだけじゃダメだ、オリンピックは出るものだ」と感じていきました。

Q:今の強化Bチームの人たちに繋がりそうな言葉ですね。Aの人たちはまっすぐオリンピックを見ていますけど・・・

そうですよね、特にあの2人(新田祐大、脇本雄太 ※東京オリンピック代表)は経験者ですからね。

Bの人はパリに向けて、日の目を見る人もいれば、挫折を味わう人もいるでしょう。どちらにしても、そこは自分の競技人生として活かしてもらいたいです。厳しいですが、代表者と落選者、その2パターンしかないので。

出場して活躍する人もいれば、そのまま終わっていく人、出場は叶わないにしても開花する人もいるし、挫折を味わっていく人もいる。

こればっかりはやってる本人にしかわからない感情なので、下手に周りが口出しできる感情でもありません。自分がどう感じるか、どう捉えるかでもまた変わって来ます。

人間の心境の変化ってとても複雑です。それをマイナスには捉えないように、どこかでプラスにしてほしいなって・・・今の子たちにはそう思います。

Q:今後、コーチングなどでナショナルチームには関わることは考えていらっしゃるんでしょうか?

ないです(断言)

全く知識もないですし。もしも中野(浩一)委員長から「パリ以降コーチングしてもらえないか」とか依頼されるとしたら、1年間くらい海外で勉強してからコーチをしたいですね。無知のままではやりたくないです。

それは一生懸命やっている選手に対して失礼ですし、自分で感じたことと、聞いた話を教えることは全然違うので。例えばオランダに行って知識を学んでからコーチングする段取りであれば、やってみたいかも・・・でもまだまだ現役なので(笑)!そんなことは考えたくはないです。

Q:失礼いたしました(笑)!

いやいや、もしそんな話があるとすればありがたいです(笑)ただ、2つ返事で「はい」とは言えないです。本当に、選手は監督次第で変わると思うので。

今思えば、僕もゲーリーと出会っていなければ、あのような結果を残せなかったと思えます。監督の存在ってすごく大きい。もしやるとしたら、拠り所になれるような、信頼できる監督・コーチなりたいです。肩書きだけのコーチであれば、やらないと思います。

伏見俊昭