とても厳しい香港の隔離

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10秒8の呪い

太田りゆ, Women's Sprint, TISSOT UCI TRACK CYCLING NATIONS CUP - HONG KONG

Q:ではレースの話を。ハロン(スプリント種目の予選、助走を付けた200mタイムトライアル)は10秒8がコンスタントに出るようになっています。その点について、現状の理想のタイムは?

もはや10秒8の呪いではないかと思います。テストイベントでは10秒800でしたし、250トラックで走っているタイムは5回連続で10秒8が出ています。

練習のタイムから考えると、もっと速いタイムでいけるはずなのですが・・・・・悪いタイムではないですが、もっと速いタイムを出したいです。

Q:ネーションズカップでの女子トップタイムは10秒6でしたが、そのタイムを見ての感想は?

タイムを見て「成長したな」と感じました。ちょっと前までは予選を最下位で通過することが多かった。予選タイムが11秒前半だった私に対して、トップのリー・ワイジー(李慧詩)は10秒6とか7でした。

メンタルコーチとも話したのですが「それって何mの差?」と考えてみると、10mほど。それが今では数メートル、コンマ2秒のところに来ています。

今回は香港での大会だったので、彼女のホームバンクでもありますし、自分は少し走りでミスをしていました。そう考えると「本戦で対戦となっても、きちんと走れば勝負できるところまで来ている」とポジティブに考えたいです。

Q:ポジティブに考えるならば、将来に向けて希望だらけですね!?

東京とパリ、同じオリンピックでも「東京オリンピックを目指す」と宣言した時とはスタートラインが全く異なります。

東京は正直夢物語だったと思います。パリに向けては「どうやったらメダルを獲ることが出来るか」を現実的に話すことが出来る位になりたいです。そうじゃないと続ける意味が無いです。

将来的に結婚したり、子どもを産んだりを考えると、もう決して若くないですし(笑)鳥のように卵で産めるなら直ぐに産みたいところです。

女性としての人生をストップしてやっているわけですから、覚悟を決めて、3年後のパリオリンピックに臨みます。それ程の覚悟が無いと続かないと思います。

力が付いた、その実感が故の難しさ

小林優香,女子ケイリン,Womens Keirin, TISSOT UCI TRACK CYCLING NATIONS CUP - HONG KONG

Q:ケイリンの決勝はどうでしたか?(動画はここ)

前に出られなかったです。折角自分のスピードやパワーが付いてきているのに、それを活用しようという頭に切り返ることができませんでした。

これまでは、前の人の力を活用する戦法が多く、今回も同じような感覚でやってしまいました。 もっと間を取っておけばよかったとか、ここで行けばよかったとか、いろいろあります。

ただ、決勝の展開になった時に私に出来ることは、無理に外から攻めていくのではなく、最終コーナー立ち上がりまで待って、体力と脚力を残しつつ、銅メダルを獲りにいく。それ位しかなかったです。

結果としては、それも冷静に考えられず外から攻めようとしていましたので・・・・冷静になれなかったですね。

良いメダルを獲りたいとか、目標が高くなり「自分のレベルが今までとは少し違うところにあるな」と実感している中で、どういう戦い方をするべきなのか、それをパリに向けて考えていくべきだと思いました。

今回は出場メンバーも少なかったので、何とも言えませんが、少し前とは自分の立ち位置が違うのだなと感じました。

Q:ではもっとレースしたいですよね。

そうですね。オリンピックシミュレーション、記録会など、日本でたくさんのレースを行わせていただけて良かったと思いますし、最近はガールズケイリンを走れています。ですので、他の国々の選手と比べたら、ある程度レースは出来ていると思います。

キーワードは「沖縄」

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