「淡々」が得意

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中長距離とガールズケイリン

1st Round / Women's Team Pursuit / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand, 古山稀絵 吉川美穂 梶原悠未 上野みなみ

Q:これまで中長距離のフィールドでやってきて、短距離である競輪の訓練を受け、ナショナルチームとしてはまた中長距離を走ります。こうやってフィールドを渡り歩く事で、身体的な変化としてはどのようなものがありますか?

養成所に入って、筋肉はとてもつきました。それに伴って体重も5kgぐらい増えましたが、これが中長距離を走るに当たってどのような影響が出るのかは、まだわかりませんね。中長距離の脚を戻すのに、これから少し苦労するかもしれません。

今この状態でロードを走ったら、すぐにちぎれてしまう気がしますね。

Q:中長距離でこれから注力していく種目は?

マディソンとオムニアムしかしないと言われています。一番チャンスがあるのはマディソンかなと思っていますが、できることならチームパシュートがやりたいですね。淡々と踏むのが得意なので、タイムトライアル系が個人的には好きです。それがなくなったのは辛いです。

競技スタートは意外と遅い?

TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand, 吉川美穂

Q:高校卒業時にも養成所を検討したものの、中長距離やロードに進んだと伺っています。そもそも、どのようにして自転車を始めたのでしょうか?

高校が体育科のある高校で、入学の時に背筋力とか握力とか、様々な数値を測定したんです。そこで背筋力がずば抜けて高かったらしくて・・・もともとソフトボールをやるつもりで入学して、実際ソフトボールをやっていたのですが、1年の時から自転車部の先生に熱心に勧誘されていました。

2年の終わりか3年の春だったか忘れましたが、進路相談の際にガールズケイリンを勧められました。もともと高校卒業後は製菓の学校へ進もうと思ってたんですが、競輪でお金を稼ぎながら、お菓子作りは趣味でやっていけばいいかなと思うようになって・・・そこから自転車競技を始めました。実際に乗り始めたのは3年の夏頃です。

Q:1年から自転車部だったわけじゃなかったんですね。

1年からやってたら、人生変わってたかもしれませんね。でも当時の私は、どう誘われたとしても自転車部に入っていなかったと思います。

Q:お菓子作りは今もしますか?

そうですね。時間があって、気分が乗っていれば、今でもします。でも日常的にやってるわけじゃないので、たまに失敗もします(笑)

面白い走りを見せたい

2024パリオリンピックへ 次世代ライダーによる新トラックチーム「チーム楽天Kドリームス」設立

Q:チーム楽天Kドリームスに加入となります。確認させていただきたいのですが、これまでも所属していたLive GARDEN Bicistelle(ライブガーデンビチステンレ)とはどのような兼ね合いになるんでしょうか?

チーム楽天Kドリームスはトラックチームなので、ロードレースに関しては特に関与しないそうです。それにLive GARDENはUCIチームでもない。JBCFなどの実業団ロードレースの大会に出場するときは、Live GARDENの肩書きで出ることになると思います。

トラックのUCIチームに入ることで、今まで出場できなかったレースに出場できるチャンスが増えたと思っています。

Q:ガールズケイリンのデビュー戦、ルーキーシリーズが始まります。お客さんにはどのような面に期待して欲しいですか?

卒業記念レースでは不甲斐ない走りをしてしまったと思います。面白い走りができるように頑張ります。可能な範囲でやれることをやってみたいと思っていますね。

窪木一茂らデビュー戦『競輪ルーキーシリーズ2021(新人戦2021)』5月から全4戦スタート

Q:競技の方での今後の目標を教えてください。

競技の方では梶原(悠未)選手という日本人最強の選手がいるので、そこに追いつけるような選手になることが目標です。全日本選手権のマディソンやオムニアム、なんでもいいので、まずは3着以内に入ることを目標にがんばります。

日本競輪選手養成所 第119・120回生 卒業記念レース

今回はオンラインでの取材だったため、髪が短くなった吉川選手の姿はまた別の機会にお届けしたい。

トップ成績で養成所を卒業し、今後多大な期待を背負うであろう吉川選手。ガールズケイリンのフィールドでどれだけ期待に応えられるのか、そして中長距離のフィールドにどのような相乗効果をもたらすのか・・・新たな「二足のわらじ」選手の今後の活躍に期待だ。