ガールズケイリンと競技のケイリン
Q:日本の競輪と競技のケイリン、女子だとルール面では割と近いと思うんですが・・・
と思われがちですが、全然違うんです!
私自身、まだ競技のケイリンの経験は浅いですが、その浅い経験の中でも「まったく違う」という認識です。
Q:ぜひ詳しくお願いします!
物理的な面では、ギアの重さ、自転車の違いがあります。見る側からはあまり感じられないかもしれませんが、走る側からすると圧倒的な違いです。
競技のホイールだと、ちょっとでも横に動いたら大きく煽られてしまうので、ガールズケイリンの時のような細かな動きはできません。
ガールズケイリンならちょっとした動きや少しのミスをリカバーできるのですが、競技の自転車だとそうはいきません。250mの小さなバンクですので、ちょっとのことが大きな差として出てしまいます。
また、競技はギアがかかっている分、何回も仕掛けられることが面白いところだと思います。ガールズケイリンだとギアが軽いので、チャンスは1、2回しかありません。
Q:競技の方が250mで周長が短いので、より大きなバンクで行うガールズケイリンよりも仕掛けるチャンスが少ないイメージでした。
競技の方がバンクの周長は短いですが、誘導退避がガールズケイリンより早いんです。残り3周で退避するから、実質750m残っています。ガールズケイリンだとおよそ600m。150m違うと、全然違います。みんなが躊躇する時間も、仕掛けるポイントも大きく変わってきます。
走っていると違いがよくわかりますが、見ている人にはあまりわからないですよね。だからこそ伝えたいなと思っています。
Q:それだけ違うと、競技と競輪とで切り替えが大変そうです。
ガールズケイリンにはガールズケイリンの、競技には競技の走り方があると思っていて、それを自分の中で見つけられているので、大丈夫だと思います。そこを「同じもの」として捉えてしまうと、ドタバタして難しくなるんでしょうね。
競技でやっていることをガールズケイリンでやろうとすると、上手くいかないと思います。力の差で勝つことはできますが、技術の面では多分うまくいかない・・・
ナショナルチームだからこその課題
Q:競技で鍛えたことで、ガールズケイリンにも活かせることは何ですか?
まずは脚力ですね。これは圧倒的に優位に立てます。ただ圧倒的に優位に立つことで、レース展開で不利になる。要は「警戒される選手になる」のですが、これが一番困るポイントです。そうなったら自分からチャンスを作らなくてはいけません。そこが課題だと思っています。
Q:「自分でチャンスを作る」とはどういうことですか?
ケイリンは人数がいるぶん読みにくい部分がありますが、具体的にいうと「裏をかく」です。他の選手の裏をかく走りをする。他の選手が想定していないことをする・・・ですね。そしてその際たる種目はスプリントです。スプリントは完全に頭の勝負ですね。それに最近気づきました!