HPCJCには優れたスタッフが揃っている

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競輪選手は傲慢じゃない

Q:その他に感じることはありますか?日本の短距離には競輪選手が多くいますが?

日本に来て初めて競輪選手と関わりますが、ナショナルチームにいる競輪選手たちは本当にプロフェッショナルだと思います。ですから彼らと仕事が出来るのは光栄なことです。

選手たちは強くなるためによく“聞き”ます。フランスで若くてお金を稼いでいるとしたら、選手たちはもっと傲慢になる傾向があります。日本の選手たちは文化的な背景があるとは思いますが、私をリスペクトしてくれますし、お金を稼いでいるからといって人を見下すこともしません。だからここにいるのは凄く幸せなことですし、皆さんと仕事を一緒に出来ることを光栄に思っています。

Q:これまでBMXのコーチだったとのことですが、トラック競技へ関わるのは初めてでしょうか?

トラック競技へ関わるのは初めてです。フランスのトレーニングセンター時代はロード選手と関わることが多かったのですが、ロード選手はトラック競技の選手のようにジムへ多くの時間を割くことはしません。

一方、トラック競技の選手は短距離も中長距離もジムトレーニングが重要です。私のS&Cコーチの強みは、BMXのトレーニングで培った経験をトラック競技へ転用できることです。

最初の加速が大事な部分は、トラックもBMXも同じです。違いと言えばBMXはギアが軽いことです。トラック競技はいつも重いギアで練習を行うので、それを踏みこなす必要があります。

Q:BMXとトラック、2つの競技の違いで驚いたことなどありますか?

トラック競技へ関わって驚いたことは、1回あたりのジムトレーニング時間が短いことです。

就任当初はBMXのジムのようなトレーニングを組んだのですが、トラックの選手たちには長すぎることがわかりました。HPCJCで求められるのはもっと“短く、効率良く、質を高く”です。BMXは1回のトレーニングで2時間~2時間半程度を費やします。一方でトラック短距離の選手は1時間程度が最大です。そしてBMXのジムは週2回ですが、トラックは週3回です。

そういった部分では慣れていないところがありますが、他のスポーツのS&Cコーチが今の自分の立場になった場合と比べると「自転車競技とはどんな物か」を既に理解しているので、適応に時間は掛かっていないかと思います。

情熱を持ち、信頼される

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