全くの初心者から始めたにも関わらず、いきなりで競輪学校へ合格。そしてデビュー戦では優勝。自転車競技を始めてから1年も経たないうちに2017年のアジア選手権にチームスプリントで出場し、見事3位。トラックワールドカップ第1戦では女子チームスプリントの日本記録を更新するなど目覚ましい活躍をみせる。それが太田りゆ選手だ、というエピソードは非常に華やかで順風満帆な印象を受ける。
そんな彼女にTEAM BRIDGESTONE Cyclingへ加入が発表された日、我々は彼女にとって初であったトラックワールドカップの感想を訊ねてみると、華やかなストーリーの裏に隠された深い苦悩が顔を覗かせた。だが同時に彼女の表情は晴れやかでもある。
東京オリンピック、そこへ繋がるストーリーとして、今現在の太田りゆが何を感じてるのか?を書きとどめておこう。
急に、色々と変わっちゃった。
ワールドカップ1〜2戦に出場して、感覚はどうでしたか?
良くなかったですね。体力とか脚とか、そういう身体的な部分での用意は出来ていたんですけど、精神的な部分は用意が出来ていなくて。メンタルでやられちゃって、ワールドカップでは何も出来なかったですね。
ワールドカップの3、4戦も本当は行く予定だったんですけど、ブノワコーチと話してアジア選手権に備えて一旦落ち着こうという話になりました。
メンタルっていうのは、海外のレースという環境の変化が要因ですか?
どうなんですかね。いつからかわかんないんですけどね。でも、なんか結構「がーん」ってメンタル来たんで、そこから開き直って今は逆に色々と良くなってる感じはします。練習も良くなってますし。
それは競技だけじゃなく、ガールズケイリンもデビュー年だった事もあったからでしょうか?
そうですね。なんか急に色々と変わっちゃったんで、知らず知らずに溜め込んでたのかなって思います。
そういうの、メンタル強い人ほどわからないって言いますからね。
ホントいきなりでしたからね。
それはブノワコーチに伝えていたんですか?そういう症状が出たって
ワールドカップが終わってから言いました。そしたら「とりあえず落ち着こうか」って。