もう一度世界へ

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プレッシャーの緩和 チームで目指すオリンピック

現在のオリンピック選考システムを考えると、チーム種目(チームパシュート、チームスプリント、マディソン)で参加枠を得て、より多くの選手をオリンピックに送り込めるようにするのが各国のナショナルチームの狙いと言える。

【トラック】2020年東京オリンピックの出場枠はどうやって獲得するの?

チーム種目で参加枠を獲得すれば個人種目での参加枠が付いてくることや、一番良い状態の選手をオリンピックに送り込めるのがその理由だ。それは同時に参加枠を取るために戦ってきた選手が必ずしもオリンピック本番で走れるとは限らないことを意味するが、ホロウェイの場合、ペアで行う競技・マディソンで参加枠獲得を目指すことでプレッシャーが分散され、自身のストレス緩和になったという。

過去3年間、相棒のエイドリアン・ヘジバリーと共に走り「最も結果の出るペア」としての評価を得ることができた。これによって自身1人では成し得なかった「オリンピックへの手応え」を感じたという。

東京五輪へ

「UCIのランキングはロックダウン前のままだけれど、まだ自身の出場が決定したわけではない。選手と観客の健康と安全が取り戻された上でオリンピックが開催されたら、その中で全力を尽くして走りたい」

アメリカは男子マディソンでオリンピック出場枠を獲得しており、同時に男子オムニアムの個人枠も1つ獲得した。2021年には34歳となっているホロウェイ。年齢的にも自身のキャリアを飾る集大成としての東京オリンピックとなるだろう。しかしながらオリンピックの延期に加えて、黒人男性死亡事件の抗議デモの影響でアメリカの代表発表(6月3日に発表予定だった)が延期になるなど、まだまだ先は見えない。果たしてオリンピックの舞台に立つことは出来るのか。

Text:中田尚志