新田祐大、料理に目覚める

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生活の5割は「企画」を構想

今の生活、使える時間を10として、料理は3割くらい、練習は2割位です。その他の約5割の時間を使って競輪選手たちの素性・プライベート・競輪の裏話などを聞ける場を作りたいなあ、という構想を練っています。

自分たちの情報を発信する場を作りたくて、zoomを使ったファンイベントのようなものをABEMAさんとコラボして放送しています。継続して出来れば嬉しいですね。

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※既に第2弾も実施。次の会はあるのか?※

Q:ピンチをチャンスに変える姿勢ですね。

そういうことをやっていきたいと考えています。

例えばZWIFT(ズイフト)。みんながZWIFTの何に良さを感じているのかなって考えたときに、レベルアップだったりフォロワーの増加だったり、自分のやってることが結果として可視化できるようになっていることが魅力なんですよね。そして自分のリアルの肉体も変化していく可能性がある。

さらにZWIFTに超一流の人たちが参入して、ファンライドをしているというのもあります。先日、別府史之さんが主催の大会に6000人以上が集まってたんですが、ロードの大会で6000人が走れるものってないでしょう?こんなに集まるんならみんなから参加費もらって、優勝者に記念品を贈るとかしたら喜ばれるんじゃないかなあと思ったんですよね。

参加費を取ると人が集まらないという意見もあると思いますが、僕なら「お金を払ってでもそのジャージを獲りたい!」となるし、そういうセッションを開催している例もあるわけです。

ただ、ZWIFTの問題として、この間ジェフリー・ホーフラント(※オランダ出身、2020世界選手権ではチームスプリント金メダル、スプリント銀メダルの世界トップクラスのスプリンター)がそうだったんですが、一気に1000ワット以上上がっちゃうとシステムがついてこれなくて止まっちゃうらしいんですよ(笑)その辺が改善された上でできれば、良いと思いますね。

世界チャンピオンの意味

Q:今仕事ができないアスリートに、そのような「別の場」が作っていけるといいですよね。

海外組が先に外出出来ない状態になり、僕たち日本の選手たちはそれに続く形になりました。そうして感じたのは「世界チャンピオンの意味ってなんだろう」ってことです。当人たちも「これがなんの役に立っているんだろう」とか「自分の価値ってなんだろう」とか感じてるんじゃないかと思うんです。今のこの状況が、選手たちにとって「自分の価値」を考える時間になっていると思います。

エドワード・ドーキンスがやっていたような、自分がアスリートとして学んだことをお金と交換するようなやり方もあると思います。

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でも僕たちアスリートは「教える」プロじゃないから、誰もができるわけじゃないと思うんです。稀にいる「教える」ことに向いてる人の中でも「しっかりとしたエビデンス(根拠)を元に説明することができる」人となると、さらに限られてくる。下手なことをして「インチキだ」と思われちゃうと、選手の評価がどんどん下がってしまう。

だから「エビデンスを調べ上げている人たち」と「実績のある選手」が組んでやるのは、アリだと思っています。コーチ的な人がエビデンスを元に喋る所へ、説得力を上げるために世界チャンピオンが付く、みたいな形。「このコーチが言っているのはこういうことです」「お前はこうやってたよね」という話をし合っていくやり方がいいんじゃないかなと思っています。

「スポーツの現状に対して何かできることありませんか」って声かけてくれている会社もあります。そういうところとの協力も踏まえ、選手たちの競技以外の場を作る良い方法がないか・・・そういうことを考えるのに、今は生活の半分くらいを費やしています。