かけがえのない兄の存在

Q:じゃあ、最初の自転車はお兄さんの使い古し?

いや、兄とは8歳離れているから、前の自転車は残っていなくて、親が僕用に買ってくれたよ。僕の自転車は兄がメカニックとして用意してくれてたから、チェーンやタイヤの調子がいつも良かったんだよ(笑)。

兄がトレーニングに行くときには僕も付いていって(もちろん全部一緒にはできなかったんだけど)、帰ってきたら面倒みてもらって・・・、年齢は離れていた兄弟だったけど、たくさんのことを一緒にやったんだ。兄は僕の面倒をみたり、僕の成長を見るのが楽しかったみたいだよ。だから僕はいつも周りよりもアドバンテージがあると感じていたんだ。

兄からアスリートとしての姿を学ばせてもらったし、直接一流の選手の食べ物、睡眠、トレーニングの仕方など、毎日見ることで学べたことは大きかったよね。日本にもこの経験を還元できれば・・・(んっ?どういう意味?)。

このように、思わぬ会話の流れからテオ・ボスの自転車愛に溢れた人柄が垣間見えた。今回のクリテリウムへの参加も単純に“楽しみたかった”だけなのだろう。今でも子供のころと変わらずに自転車を楽しむ元世界チャンピオン、強さの秘密は“自転車が大好き”という気持ちがあるからなのかもしれない。