タイトルまであと一歩 原因は「2人の自分」

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「道」を見出すために必要なのは

Q:今年も獲得賞金が1憶を越えましたね。

1億超えたからね、こっそり(笑)
こっそり稼ぐのが元々のテーマなんですよ。しゃべりでは目立ってもいいけど、勝ち上がりや走りでは目立ちたくないと思っています。

「いつの間にか決勝に勝ち上がってるね、気がついたらいるね」というのが理想です。

Q:レースでもいつの間にかするするっと前に出てきて、最後にスッと入りますよね。道が見えるんでしょうか?

道は見えますね。メンバーを見た瞬間に「こんなレースになるな」ということも見えます。ほぼ外しません。

気をつけているのは、自分の「こうなればいいな」の願望でコースに入っていくのではなく、しっかり「見てから入る」こと。そうやって進路を選んでいます。

眞杉匠, 佐藤慎太郎, 山口拳矢, 第39回共同通信社杯, 青森競輪場

Q:それはやっぱり経験から来るものでしょうか?

経験ももちろんですが、タテに踏める脚がないとできないことですね。道を見つけるには、レース中に「見る」余裕が必要です。いっぱいいっぱいだと、コースも前の選手の動きも見えません。

歳を重ねるにつれ追い込み選手としての技術は上がるし、コースを見極める能力も上がるでしょう。でも脚が伴わないとそのテクニックや能力を発揮する場面にたどり着けません。

いかに脚をつけるか、それが重要。そう思って日々トレーニングしています。自力選手のつもりでね。

KEIRINグランプリ2023

Q:G1レースは長丁場のものも多いですが、KEIRINグランプリは一発勝負。体力的な面で見ると良かったりするのでしょうか?

体力的な面で言えば一発の方が良いでしょうね。初日にピークをもっていく、疲れを抜いたフレッシュな状態で臨めますから。

Q:グランプリ2023のメンバーで気になる選手はいますか?

今年一番強さが光ったのは古性ですね。いち競輪ファンとしてグランプリでどんな動きをするのか、気になるところです。

古性優作, 決勝, 寬仁親王牌, 弥彦競輪場

響平に前を取らせたくない選手がいるなら、スタートの争いになるでしょうね。でもほら、いつもと違うレースをするのもいいんじゃない?読まれているようなレースをしない、っていうか(笑)

Q:そういった話し合いはどのタイミングで行うものなんでしょう?

去年みたいに4人いるようなら前夜祭まで並びをどうするか、ということがあるのである程度早めにやりますが、今回に関しては2人なので、やるのはレースの作戦立てだけですからね。本当に直前かなと思います。その間に彼が色々考えるんでしょう(笑)周りからも色々アドバイスされるでしょうし。

Q:楽しみですか?

「楽しみ」というより「しっかり頑張りたい」の気持ちの方が強いように思います。周りは楽しんだ方がいいんじゃない?と言ってきますけどね。

アクセル担当のボブだけつれて

Q:2023年を振り返って会心のレース、納得のレースはありますか?

これはいろんなメディアで聞かれる質問なんですが、「ない」です。まず勝てていない。負けレース(勝ち上がれなかった選手のレース)では1着だったり良いレースをできた場面もあるんですが、やっぱり優勝したレースを挙げたいものですから。

お金は稼げているので、仕事としては成立しています。成功した年と言えるでしょう。でも「冒険」としては納得できないですね。

自分が「G1を獲れる位置にいる」と思っています。だから余計、納得してはいけないんじゃないかなと思います。

Q:昨年のインタビューで「競輪選手という冒険の途中」という言葉のチョイスをされていました。ワンピースでいうところの「海賊王」のように、佐藤選手に「冒険」のゴールはありますか?

やっぱりG1のタイトル。もう20年以上前に獲って、それきりですから。G1のタイトルを獲れるか獲れないかの舞台に立てている以上、冒険の途中だと思っています。

何か目的があってやっている間は、それは冒険。そう捉えていますし、それがなくなった時は「ただの仕事」になるのかなと思います。

Q:グランプリ獲得よりもG1獲得の方が気持ちが強いでしょうか?

もちろんそうです。グランプリはG1で勝った選手がもらえるボーナスステージで、G1を獲った先にあるものだと思っています。そこに僕たちは「余った枠どうですか」という形で出ている。今年はグランプリで勝ったからといって必ずしも賞金王になれるわけではありませんから、そういう意味でもG1が大きいですね。

でも、出るからにはやっぱり勝ちたいです。

Q:レース当日はキャサリンとボブと佐藤慎太郎の三位一体のレースが見られるわけですね。

キャサリンは当日休んでもらってね(笑)アクセル担当のボブだけつれて行こうと思います。

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