自転車で伊豆ベロドロームまで通勤

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掴み取れS級!

Q:世界選手権に向けて、現在どのような心境ですか?

今回は「チームパシュートでパリオリンピックを走れる可能性が十分にあるから、楽しみ」という部分が大きいです。チームパシュートは他国の動きに左右されることなく、自分たちがより良いタイムを出すことが求められる種目。良いタイムを出して、パリの枠をしっかり取りたいですね。

Q:今回大会日程が例年より長いですが(トラック競技は7日間)、中だるみの心配などは?

チームパシュートで決勝まで上がれば、3日間にわたっての実施なんです。だから個人種目と合わせて、そこまで間は空かなそうですね。

個人種目は第2の目的になるのですが、金メダルを獲ってS級に上がりたいですね!良いメンバーと走れるので楽しみですよ。

※「オリンピック競技大会及び世界選手権自転車競技大会の自転車競技トラック種目において3位までに入賞したとき」、特別昇級となる(競輪関係業務規程 第81条6項)

橋本英也, 男子エリミネーション, MEN'S Elimination, 2023アジア選手権トラック, 2023 Asian Track Championships Nilai, Malaysia

Q:前にも言ってましたね(笑)S級へ上がりたい理由は?

走るからには上を目指したいというのもありますが、昨年は点数は足りてたのに出走本数が少なくてS級に上がれなかったんです。今の環境でS級に上がるには特別昇級するしかないので、メダルを獲ってS級に上がりたいですね。

A級ですが、最近は競輪でもぽつぽつ優勝できるようになってきました。普段一緒に走らない60〜70人とレースをして、最後に勝てるのは嬉しいです。競輪の間は別の世界に入って、レース後はいつもの生活に戻る感じ。競輪を走るからこそ、普段のトレーニング環境のありがたみを改めて感じることができます。

一方で、伊豆にいると外の人と話すこともないですから、競技じゃない話ができる競輪という環境も楽しいです。

Q:それでは改めて、世界選手権でのチームパシュートの目標は日本記録とベスト8入りでよろしいでしょうか?

そうですね。そして個人種目ではメダル獲得とS級昇級が目標です。

自転車に生きると心が定まってから、10年

橋本英也, 男子チームパシュート決勝, MEN'S Team Pursuit Final for Gold, 2023アジア選手権トラック, 2023 Asian Track Championships Nilai, Malaysia

Q:ちなみに橋本選手、世界選手権は何回目くらいでしょうか?

なんだかんだで10回くらい行ってる気がします。ありがたい話です。10回分の思い出が頭の中に残ってるかっていうとそうでもないですけどね(笑)

Q:一番印象に残ってる世界選手権ってありますか?

ベルリンとか……去年ってどこでしたっけ?あ、フランスか……あまり覚えていないですね(笑)

Q:(笑)では、「人生で一番記憶に残るレース」だとどうでしょう?

アジア大会で、初めてオムニアムで優勝したレースですね。それまで僕はあんまり勝てていなかったのですが、世界の大会で、初めて優勝できたのがその時でした。あそこから自転車人生が始まったように思います。印象的ですね。

Q:人生の分岐点のようなものでしょうか。

あの勝利で「自転車を仕事にしよう、こうやって生きていこう」と思えました。2014年だからもう10年前です。

Q:では今回の世界選手権は、記憶に残る大会になると良いですね。

「チームパシュートでオリンピックに出る」という目標で、チームの気合いも入ってます。記憶に残るレースをしたいです。

橋本英也選手の出場予定はチームパシュートと個人種目ではエリミネーション。チームパシュートでは1つでも上の順位を目指し、個人種目のエリミネーションでは、ネーションズカップ第1戦同様にメダル獲得に挑む。

果たして今大会は橋本英也の記憶に残る大会となるのだろうか。