走るたびに記録を更新、次は日本人初の……
Q:個人パシュートは「孤独な己との戦い」というイメージがあります。精神的な戦術などはありますか?
実は、以前まで「自分を追い込む」とか「孤独な戦い」というイメージを持っていましたが、今では全く感じないんです。
Q:「以前」とはいつ頃までですか?
2016年のリオオリンピックぐらいまでです。それ以降、走るたびに記録を更新できるから楽しくて。孤独というイメージは無くなりましたね。それに記録を更新できるということは、苦しむ時間も少なくなるということです。体力的にもキツいイメージは以前よりありません。
暗いイメージではなく、「パフォーマンスを発揮する舞台」と捉えています。……でもやっぱり緊張しますね!(笑)
Q:「自分にワクワクする」ような感覚ですか?
そうですね。個人パシュートの場合、普段の練習では全力で走ってタイムを測る機会がほぼありません。
今(2023年7月現在)の自己ベストは4分11秒台。なので日本人初の4分9秒台を出したいです。出せると思っています。
「経験 × チームの成長」の相乗効果
Q:窪木選手は現在34歳でナショナルチームでも最年長ですが、年齢を重ねるごとに強くなっています。若い頃から変わったことはありますか?
まず、チームスタッフなど、競技をする環境がどんどん整っていること。そして男子も女子も、短距離も中長距離も、さらに上を目指す意識の選手が増えてきていることが、良い循環を生み出しているのだと思います。そうした環境にいることで、僕自身も「負けたくない」という意志が強まります。
もう一つは経験。長く競技を続けてきたことで、他の選手たちが知らないことを知っています。そうした経験を活かしつつ、更にみんなの活き活きさを組み合わせることで、効率良く成長できているように思います。