強さの秘密はいちご!……というわけでもなく

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決まりきった展開は見せたくない

Q:全日本選手権での、他の種目はどうでしたか?

「(梶原)悠未さん強いなあ」と思ってばかりでした。でも少し崩れるシーンもあったように思います。前はポイントレースなら「全ポイント周回で5点!完全優勝!」という感じだったのが、今回はそうではなかったので。でも本気を出してないだけかも……

どちらにせよ、展開がある方が、走る側も見る側も面白いと思います。自分が勝っても他の誰かが勝っても良いのですが、決まりきった展開で終わっちゃうのは嫌だなって思います。

Q:経験にもならないですしね。

毎回毎回スローになって、もがいて取って……みたいな決まりきった展開は見せないようにしよう、と思っていました。もちろん負けたくないって気持ちもあります。今回は日本国内の大会ですから、余計気にかけてもいましたね。

Q:全日本選手権は内野選手にとってどんな大会ですか?

「自分がどれだけ走れるか確認する場所」って感じです。練習でレースを行うことってあまりないですし、やるとしても女子の人数が少なすぎて、男子と合同になってしまいます。だからこそ全日本は悠未さんと戦って「こういう時に踏み負けるんだな」「こういうところが強いんだな」と確認するような場です。

Team Rakuten K Dreams, 内野艶和, 決勝, 女子エリート, チームパシュート, 2023全日本選手権トラック, 伊豆ベロドローム

Q:では、アジア選手権はどうでしょう?昨年(2022)は無双状態でした。

昨年は香港も中国もいなかったですから……。アジア選手権は、チーム種目に関しては「全力を出せば負けないだろうな」と思います。みんな強いから、不安はないです。

昨年は「勝たなきゃ、勝たなきゃ」と力んでた部分がありますが、今年はそうでもなく「まあ、勝てるよね」って気持ちでいます。世界選手権に向けて重要な大会だと捉えつつ、これまでの失敗を活かすのに良い大会です。ポイントを取ってそのまま世界選手権に行きたい、と思っています。

今年はチームパシュートとマディソン、あと急にエリミネーションにもエントリーすることになりました。エリミネーションはいつもやらかす種目なので、気を引き締めないといけないと思ってます。落ち着いて走りたいです。

Q:エリミネーションのやらかしは、主にどういう要因なんですか?

位置取りと、あとは脚をめっちゃ使っちゃうとか、後ろを見てなかったとかですね。後ろを見てなくて「いける!」と思って油断してるパターンです。

今回のエントリーは世界選手権でエリミネーションがあるから、ということらしいです。でもずっと、私と(池田)瑞紀ちゃんが「エリミネーションかポイントレース」に集中的に出させられていますので、ギリギリまで出場種目は変えられることから、もしかしたら直前にポイントレースになる可能性もあります。

Q:内野選手的にはポイントレースの方がやりやすいのでは?

やりやすいですけど……長いじゃないですか(笑)エリミネーションは勉強が必要な種目だと思っているので、この機会にしっかり取り組もうと思っています。

あまのじゃく、内野艶和

Q:最近は自転車に乗ってて楽しいですか?

楽しい……かな。ダニエル(・ギジガー中長距離ヘッドコーチ)が結構緩いタイプなので。

Q:それ、橋本英也選手も言ってました(笑)「つやぴーにはいいんじゃないかな〜」って。

そうですか?稀絵さんにも言われました(笑)メニューがギチギチに決められて「やらなきゃいけない」ってなるのが苦手なんですよね。高校生の時も自分でメニューを決めて、自分でやって成長してきた部分があるので、決められちゃうと逃げたくなっちゃうんだと思います。それは心が弱い、とも言えるかもしれないですが。

それでやらなかったらやらなかったで罪悪感も感じちゃう。決められるのがあんまり好きじゃないんだと思います。圧が苦手……

Q:勉強しなさいって言われるとしたくなくなる、みたいな。

「今やろうと思ったのにな〜」みたいな(笑)

Q:では最後に、短期的な目標、長期的な目標を聞かせてください。

長期的な目標はやっぱりパリオリンピックです。チームパシュートでオリンピックに出られたら一番良いなと思っています。

短期的な目標は今年の世界選手権。出場種目をもらえたら、今の調子を落とさずに良いところまで行きたいです。

Q:では、まずはアジア選手権でチャンピオン枠ですね。

私だけじゃなくてみんなに勝ってもらわなきゃですね!みんなの力なら、やらかさなければ大丈夫だと思います。私のエリミネーションもですが……

全6日間、『2023アジア選手権トラック』大会スケジュール/マレーシア・ニライ