元ロード競技メイン選手として競輪選手2200人のトップ9に上り詰めた男、守澤太志。

3度目のKEIRINグランプリとなる『KEIRINグランプリ2022』を前に、自転車トラック競技ナショナルチームのテクニカルディレクター、ブノワ・ベトゥ氏による特別インタビューを実施。

ブノワ氏曰く、守澤選手は「自分が思う『良い競輪選手』を体現している選手」。その言葉の意味とは?

『KEIRINグランプリ直前 守澤太志×ブノワ・ベトゥ』

ブノワ:まずは私はこんな質問をするのは初めてです(笑)よろしくお願いします。いろんなレースで守澤選手の走りを見ています。あなたがどんな選手かは知っているので、心配せずにインタビューを受けてくださいね。

守澤:はい(笑)

ブノワ:実は新山(響平)がナショナルチームにいた頃、守澤選手の自転車が400mバンク(伊豆ベロドロームが所在するサイクルスポーツセンター内にある屋外バンク)に置いてあったことがあって、見させてもらったことがあるんです。サドルのポジションにすごく驚きました。

守澤:それは最近ですかね?

ブノワ:半年くらい前ですね。

守澤:それなら、今はもっとポジションがすごいです。更に低くなっています。

守澤太志, 日本選手権競輪 競輪ダービー, いわき平競輪場

ブノワ:ヤバイですね(笑)どうしてそういうことをしているのでしょうか?

守澤:自転車の進行方向が前なので、そこに向けて駆けるために、自分の位置のようにサドルは低い方が良いと考えています。体重を前にかけやすくなります。

ブノワ:誰かの後ろについている状態から、グッと駆けていくためではなく?

守澤:そういうわけではないですね。「ただ乗っているだけで速いのが良い」と言いましょうか。筋肉の力を使わずに自転車を進めたいので、前に人がいるかどうかはあまり関係がありません。

ブノワ:そのポジションにすることで前傾姿勢になって力を入れられる、ということは理解できます。でもエクストリームというか……振り切っていますね。

守澤:力がないので、何かで強みを作らなければいけないと思っています。そうでなければナショナルチームのメンバーと一緒に走ることはできませんので。僕はロード出身なので、あまり競輪の才能がないんです。自転車に乗ることは得意なんですが、短距離の才能がゼロに近いので、どうにか強みを作らなければ戦えないのかなと感じています。

レッツ・ビー・ア・ライバル

1/4 Page