最後の最後で雑念が入ってしまった
Q:でも聞けば聞くほど、1kmTTがオリンピック種目だったらと思ってしまいます。
会場も結構盛り上がっていましたよね。ブブゼラがすごかったです。今回、ジェフリー・ホーフラント(優勝者)が結構序盤で走ったのもありましたね、後ろの人達にプレッシャー与えるかのようでした。
Q:彼は58秒台でしたね。小原選手の目指すタイムというと?
57秒を出すつもりでいかないと……ではありますね。でもホーフラントが化け物すぎます。ギアも相当重いはずなのに、ヨシさん(長迫吉拓)とスタートが変わらないんです。最初の2周、チームスプリントの日本新記録と0.1秒しか変わらないんですよ。
Q:ヤバいですね。
ヤバいです。
予選が終わって、ホーフラントが2本目で上げることはわかってたんですけど、あとはみんなタイムが落ちると思ってたんです。だから自分がパフォーマンスを落とさなければメダル獲得もいけると、自分もジェイソンも思っていました。そういう段階になって、メダル争いができると思ったら、欲が出てしまって。
予選の時は「無心で頑張ろう」だけだったんです。でもいざメダルが獲れるかもしれないとなったら、「必死に頑張ろう」じゃなくて「メダルを獲ろう」になってしまった。それが空回りの原因だったと思います。集中しきれていなかった。
ケイリンとかなら、走ってみなければわからないじゃないですか。でも「勝ったらメダル!」っていう。ちらついちゃいましたね。
Q:雑念が入ると力が出なくなる?
僕は雑念が入りまくっていましたね。「メダルを獲る」じゃなくて「相手に、自分に勝つ」の気持ちが強い人が勝つんだな、と感じました。
Q:今回の2本(予選と決勝)で成長しましたね。
はい、収穫です。本当に収穫の多い大会でした。
Q:それでは引き続き、エンターテイナーとして頑張ってください。
頑張ります。でも僕の後継者を見つけないと僕は死んじゃいます(笑)