自分こそが、運営の舞台に入らなくては

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会場を華やかにする意図とは?

Q:三瓶コーチにとって初めての大会運営。どのような点に苦労しましたか?

そもそも僕ら(三瓶コーチと阪本章史大会実行委員会委員長)には大会運営のためのノウハウや情報がありませんでした。今回は新型コロナ対策の苦労もありましたが、それを加味したとしてもオペレーション面は改善する余地があります。もっとたくさんの人数を割く必要がありますし、やはりイベントのプロに観客面のオペレーションはお任せするべきだと感じました。

でも僕らには選手・コーチとしてやってきた経験や、「理想の大会」のイメージがありました。こうして装飾・・・バナーが出ているとやっぱり雰囲気も上がりますよね。装飾、見栄えといった面ではやりきれたと思います。

コースには大会やスポンサーロゴのバナーが張り巡らされている ※写真提供:日本自転車競技連盟※

今回は集まった費用をすべて投資し、可能な限り会場を華やかにしています。

リオデジャネイロオリンピック前の大会の時は、スポンサーロゴのない真っ白な背景板の前で囲み取材をやっていましたが、そんなことではスポンサーに目を向けてもらうことすら出来ません。大会はキッズも多く参加してくれますが、彼ら・彼女らに「ここで走ったら面白そう!」とワクワクさせるような会場作りをすることが、今後につながっていくはずだと信じています。

今大会のインタビューエリアの様子

設営には業者の方に入ってもらいましたが、手作りの部分もまだ多いです。バナーや奥に設営しているバルーンのアーチなどは、僕自身が中国の会社に安く発注して製作しました。

「ちゃんと膨らむか心配だったけど・・・」と三瓶コーチ談

スタートシステムは僕が前から輸入していて、今回オリンピック規格のものを持ち込みました。日本写真判定さんにフォトフィニッシュを依頼して、阪本(章史)くんにはスポンサー獲得を中心にお願いしました。

阪本章史…元BMX選手。BMXレーシングがオリンピック正式種目となった北京大会に、アジア唯一の選手として出場した。日本唯一のプロBMXレーシングチームGANTRIGGER代表。

今大会は東京オリンピックが控えていて、それもあってお客さんに来ていただけたと思います。今大会は「次に繋げる」大会ですね。

この大会がどのような結果を生み出していくのかにも注視していきたいです。楽しい大会を作ってBMXの認知度や人気が上がることでBMXの選手の育成やエリートクラスの質の向上にも繋がりますし、トラックなど別種目に羽ばたいていく新たな選手が生まれることにも繋がっていけば嬉しいです。

大会史上最大となったスポンサーを入れての全日本選手権

Q:トーヨータイヤさんをはじめとしたスポンサーが名を連ねていますね。

はい。阪本くんがプロチームを持っているので、その繋がりでトーヨータイヤさんに冠スポンサーになっていただきました。大東建託さんにはBMX連盟のスポンサーに入っていただいており、シリーズ戦やキッズを応援するプロジェクトにもご協力いただいています。

これまでは大会全体をカバーできるほどのスポンサーは付いていませんでした。スポンサーフィーで大会運営費用をカバーするという発想自体なかったかもしれないし、ボランティアベースだったため獲得活動に労力を費やすことも難しくもあったと思います。資金を十分に援助してくれるスポンサーが付いてくれたので、このような会場装飾が実現しました。海外の会場の雰囲気に近づけられたと思います。

良い雰囲気を作ることで、企業さんからも注目してもらって、選手のスポンサー獲得に繋がる。そうすれば選手も長く続けられるようになりますし、徐々に裾野が広がっていけばと思います。長迫選手のように、BMXを経てトラックやマウテンバイクなどの別種目へ進んでいく選手も出てくるかもしれない。世界ではBMXからスタートしたトラックの名選手は数多くいます。そうなれば日本の競技連盟としても嬉しい流れになると思います。

僕としては、BMXを始めた子が別の種目を経験するのはとても良いことだと思っています。最近の子たちは、専門種目に特化しがちなところがあるように思えます。アップダウンがあるマウンテンバイクを経験したり、ロードで長い距離を走ったり、トラックを走ったり・・・様々な感覚を知ることで、それらで培ったことを他の種目や競技に活かすことも出来ると思います。長迫選手が良い例です。この流れを続けていきたいです。

キッズは多いけど・・・BMXレースの競技人口事情

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