9月3日、第1ステージで松田祥位がステージ優勝、佐藤健5位

カザフスタンにチームで対抗できなければ勝機なし

第1ステージはGOYANGからYEONCHEONまでの86.8km、平坦基調のコースで争われた。

今年のアジア選手権でカザフスタンに完膚なきまでに叩きのめされたが、蠣崎、佐藤、篠田の3名は彼らの攻撃の仕方をよく理解している。カザフスタンに対し数的不利な状況を作らず、単騎ではなく、チームでまとまり複数名で対応しなければ平坦コースでも勝機はない。

スタートしてすぐにカザフスタン、地元の複数の韓国チームが攻撃をするがカザフスタンの攻撃がいつもとは異なるとチームキャプテンの蠣崎が判断し、日本チームの対応もそれに合わせ、カザフスタンに主導権を取らせない。

アタック合戦が続く前半

前半は非常に高速で進み、最初の10kmのアベレージは52km/hを越える。アタック合戦が続くが決定的な逃げは出来ずに中盤まで進む。カザフスタンが全員でまとまり攻撃態勢を組んだ後ろに日本選手6名がチームで固まり、その後のカザフスタンの攻撃にも隙を見せない。

中盤で蠣崎がパンク、松田・佐藤が入った逃げ集団は決定的に

中盤に蠣崎がパンクする。集団のペースが速く、また車の隊列に入れさせてもらえない中で粘り続けるが、前方で集団落車が発生し、チームカーに道をふさがれて戻れない。落車した西原も蠣崎と一緒にゴールを目指す。チームの司令塔を失った日本チームであったが、松田、佐藤、小野寺、篠田が集中力を切らさず危険な逃げに交互に乗り続ける。

ゴール手前10kmほどでチャイニーズタイペイ、韓国の逃げにカザフスタンはTTスペシャリストIgor CHZHANとアジアチャンピオンのDaniil MARUKHINの2名 、メキシコのISLAZ ROPEZ Fernando、日本からは松田、佐藤が入り、今大会マークしていた選手がほぼ乗ったこの逃げは決定的となる。どの選手も牽制せずローテーションしてジワジワ集団からタイム差をつけてラスト3kmでは20秒差となる。

個人総合順位を上げるためには3位までに与えられるゴールでのボーナスタイムも重要なため、ミーティングでもゴール前では松田のアシストをするよう伝えていたが、佐藤がしっかり役割を果たしてくれた。

最後のスプリント勝負を制した松田

最後の直線勝負となり松田がスプリントを制し、個人総合でもリーダーとなった。佐藤も5位となり集団にも20秒弱のタイム差をつけることが出来た。

この日はチームでまとまり、選手一人一人が強い覚悟でカザフスタンとの戦いに臨むことが出来た。

第1ステージ結果

1:松田祥位 – 1時間53分7秒
2:Daniil Marukhin(カザフスタン) –  同タイム
3:Seungbeen Bae(韓国) – 同タイム
5:佐藤健 – 同タイム
35:篠田幸希 – 不明(先頭集団とタイム差がついたがリザルトでは松田と同タイム扱いのため)
66:小野寺慶 – 不明(先頭集団とタイム差がついたがリザルトでは松田と同タイム扱いのため)
96:蠣崎優仁 – 6分14秒差
97:西原裕太郎 – 同タイム

Text : JCF強化コーチ 柿木孝之

転載元:日本自転車競技連盟