自転車トラック競技の元アメリカ代表クリスティーナ・バーチが、宇宙飛行士候補者として選出されたことが、2021年12月6日NASAより発表された。
宇宙飛行士候補者として選出されたのは、アメリカ50州のほかコロンビア特別区、および米国領プエルトリコ、グアム、バージン諸島、北マリアナ諸島の米国市民12,000人以上の応募者より選ばれた10人。候補者たちは30〜40代の男女で、米国海軍や空軍に在籍する者のほか、物理学や生物工学、機械工学などを修めた人々。
クリスティーナ・バーチ
アメリカのトラック中長距離選手、1986年生まれ。
チームパシュートやマディソンといった中長距離のチーム種目で活躍。国内選手権での優勝のほか、2019年トラックワールドカップではチームパシュートで優勝。世界選手権にも2回参加している。
トラックサイクリストとして活躍し始める前に、2008年にアリゾナ大学で数学の学士号と生化学および分子生物物理学の学士号を取得。在学中にはスペイン語を副専攻としており、アルゼンチンへの留学も経験。2015年にMITで生物工学の博士号を取得しているが、この博士号取得中にMITサイクリングチームで自転車を始めている。
MIT卒業後はカルフォルニア大学などで教職員を経験し、2018年頃から東京2020オリンピックを目指すべく、アメリカトラック競技ナショナルチームに在籍。国内外の大会で好成績を残す傍ら、バーチはロボット工学やワクチン開発などのスタートアップ企業の科学コンサルタントととして従事。
東京2020オリンピックの最終選考までチームメイトをサポートし、文武両道を極めた選手だ。
バーチは他の候補者とともに2022年1月、今後2年間の宇宙飛行士としての訓練に関する報告を行う予定となっている。