山﨑賢人の挑戦
山﨑の1回戦。残り2周の時点で3番手と好位置につけていたが、仕掛けるタイミングが遅れると、外側から上がってくる選手たちに進路を塞がれ5着でフィニッシュ。敗者復活戦周りとなった。
続く敗者復活戦。山﨑はアイラース(ドイツ)、ジョセフ・トルーマン(イギリス)などと対戦することになったが、残り2周を切って最後尾から一気に全員をかわして1着フィニッシュ。準決勝へと駒を進めた。
ギリギリの準決勝(3着までが決勝へ)
準決勝の対戦相手は以下の通り:
ジェフリー・ホーフラント(オランダ)
ジャイール・ジョンエンファ(スリナム)
セバスチャン・ビジエ(フランス)
ジャイ・アングスタサウイット(タイ)
ミクヘイル・イアコフレフ(ロシア)
残り3周を切ってアングスタサウイットが後方から先頭に出ると、レースが動き出す。前からアングスタサウイット、イアコフレフ、ジョンエンファ、ホーフラント、山﨑、ビジエの順で残り2周へ。
残り2周を切ると山﨑の前にいたホーフラントが勢いよくスピードを上げて位置を上げていく。
山﨑はそのホーフラントの後ろに付いて一緒に位置を上げていくが、同時に前にいたイアコフレフが動きだしたことで山崎は並走しながら残り1周へ。
先頭にホーフラント、山﨑は一旦イアコフレフの後輪に下がり、再度前を狙って残り半周で加速していく。
しかし前の2人のスピードは衰えない。最終ストレートに入ると山﨑は外から最後の攻めに出る。この時、内側が開いたことで4番手にいたジョンエンファが内側からスピードを上げてフィニッシュラインへ。
1着はホーフラント、2着はイアコフレフ、3着争いは内からジョンエンファ、外からの山﨑でほぼ同時にフィニッシュしたため、写真判定となった。
写真判定の結果、山﨑が僅差で3着となり、大会前に目標として掲げていた”決勝進出”を果たした。
最強のオランダ
勝ち上がってきたのは以下の6人。
山﨑賢人
ハリー・ラブレイセン(オランダ)
ジェフリー・ホーフラント(オランダ)
ライアン・エラル(フランス)
ニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)
ミクヘイル・イアコフレフ(ロシア)
山﨑は6人の一番外側からスタートし、隊列の並びは最後尾。
並びはホーフラント、ポール、イアコフレフ、ラブレイセン、エラル、山﨑の順。
レースが動いたのは残り2周半となるところ。4番手にいたラブレイセンが前へと一気に加速し始める。
残り2周の時点で先頭に立ったラブレイセン、その後ろにホーフラントが続き、オランダ勢が主導権を握る形でレースが進む。山﨑は仕掛けることが出来ず。
残り1周、内にラブレイセン、外に少し並ぶ形でホーフラント、3番手にイアコフレフ、更に後ろの外から続くエラルと山﨑。
スピードを落とさないラブレイセンがそのまま押し切り、2年連続2回目のケイリン王者へと輝いた。
2位は2番手を譲らなかったホーフラント、そして3位には新鋭のイアコフレフが入った。
最終周回を最後尾から迎えた山﨑は、前にいる選手たちが壁のようになり攻められず。最終コーナー付近で内に切り替え、最後には1人をかわして5着でフィニッシュ。初出場にして初の決勝進出を果たしたが、メダルには届かなかった。
Dutch teamwork at its best🥇🥈
Gold for Harrie Lavreysen in the Men's Keirin once again!#Roubaix2021 pic.twitter.com/NKlL0jKtDL
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) October 21, 2021
山﨑賢人コメント
Q:決勝まで来ましたが、気持ちは?
不甲斐ないです。今回「絶対に結果を」と思ってきたので悔しいです。一回負けたところから切り替えられたのは良かったのですが、全然実力が足りないです。決勝は強い人が前にいるのは分かっていたのですが、動けなかったです。
Q:この舞台で体感したことは?
スピードも全然違いましたし、勝ち上がるにつれてレースのレベルも全然違ったので、自分の力の無さを感じました。
Q:これからの課題は?
全てが課題だとは思いますが、一番はスピードを上げることです。そこが改善出来れば、まだ少しは戦えるのかなと思います。先輩方が「日本は強いぞ」と示してきてくれていたのに……全然ダメですね。絶対にメダルをと思っていたので、何もできなかったので、悔しいですね。