東京オリンピックという大舞台。さまざまな国の選手たちが入り乱れ、それぞれの力を出し切った。入り乱れたのは「スポーツの力」だけだろうか?彼ら・彼女らが身にまとう色、モチーフ……そんなところをきっかけに、それぞれの国の歴史や文化に興味を向けるのも、オリンピックの楽しみ方のひとつかもしれない。

この記事では、自転車トラック競技のユニフォームから、いくつかの国の歴史や文化を紐解いていく。

月夜の道標、ニュージーランド

黒を基調としたニュージーランドのユニフォーム。オリンピックでは、頭頂にシダのペイントがあるヘルメットや、シダがプリントされたスキンスーツが使用された。

これは「シルバーファーン」と呼ばれる、ニュージーランドに自生するシダの一種。裏側が白く、夜でも月に照らされ、銀色に光って見えるという。

黒地に白抜きされたシルバーファーンは、月夜に光る道標のように見えないだろうか?

ポディウムジャージの胸元にも同じモチーフが使われる

ニュージーランドの先住民族・マオリはこれを裏返しにして地面に置き、道標として使用したという。マオリ、そしてニュージーランドにとって特別な意味を持つモチーフだ。

自転車競技のユニフォームだけでなく、さまざまな種目、そしてスポーツ以外の分野でも使われている。

ニュージーランド航空のデザインにも起用されている

参考:横浜市ラグビーワールドカップ資料「ニュージーランド代表 オールブラックス」PDF読売新聞オンラインJICA佐賀

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