自転車競技の女子選手として史上初のメダル獲得を果たした梶原悠未、そしてこのレースを最後に引退を迎えた選手など、数多くのドラマが生まれた、東京2020オリンピック。

延期の影響もあり有力者の引退などが相次いだが、実際のレースではベテランの活躍と若手の台頭が顕著となった。性別および短距離と中長距離に分けて、その模様を見ていく。今回は女子中長距離編。

実力伯仲 オムニアム

梶原銀メダル獲得のレースをもう一度!→ハイライト映像

梶原悠未(24歳)が見事銀メダルを獲得した女子オムニアム。表彰台に上がった選手たちはレース前の予想通りと言える結果となった。

優勝したジェニファー・バレンテ(アメリカ:26歳)は過去2~3シーズンのワールドカップや世界選手権で表彰台常連。銀メダル獲得の梶原は、2020世界選手権のチャンピオン。

3位のキルステン・ウィルト(オランダ:38歳)は世界選手権で通算8個の金メダルを獲得している強豪。

今回はローラ・ケニー(イギリス)が第1種目で落車したため、最終順位は6位と振るわずの結果となったが、落車が無ければ上位争いに絡んできただろう。オムニアムはこの『4強』が今回注目だった。

しかしレース後にはウィルトが『もう一度やるつもりはない』とオリンピックの舞台からの引退を示唆したことから、今後は『3強』になるかもしれない。

そしてローラ・ケニーも現在29歳。ケニーの今後の動向については定かではないものの、すでにオリンピック通算5つの金メダルを獲得している偉大なチャンピオンも、引き際が視野に入っているかもしれない。

“たられば”の話だが、もしそうなればかつてのウィルト vs ケニーのように、梶原 vs バレンテの時代がやってきそうだ。

今回のレースで4位となったアマリー・ディデリクセン(デンマーク:25歳)、5位となったアニータ・ステンベル(ノルウェー:28歳)はまだトップを争うレベルに達していない。

いずれにせよ、遅かれ早かれ梶原とバレンテのトップ争いが始まる。女子オムニアムは新たな時代へと突入した。

走る度に世界記録更新 驚異のパフォーマンス ドイツ

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