準々決勝 新田祐大

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準々決勝 脇本雄太

新田の敗退を見て、3レース目に登場した脇本雄太。メンバーはオーストラリアのマシュー・グレーツァー。ドイツのシュテファン・ボティシャー。マレーシアのアジズルハスニ・アワン。ROC(ロシアオリンピック委員会)のデニス・ドミトリエフ。トリニダードトバゴのクウェシ・ブラウン、そして脇本雄太の6選手。

周回中の並びは、先頭にオーストラリアのグレーツァー。2番目にROCのドミトリエフ。4番目にドイツのボティシャー。5番目に脇本。6番目にトリニダードトバゴのブラウン。そして最後尾にマレーシアのアワン。

レースが動き出したのはペーサーが離脱する残り3周手前。最後尾につけていたアワンが上昇、3番目の位置に入る。5番目になった脇本は前の選手とやや間隔を開けて追走、踏み出しのタイミングを計る。そして3番目のアワンが再度前に出るのを見て脇本が発進。得意のロングスプリントで勝負に出た。スピードに乗った脇本は次から次に前を行く選手を追い抜いていく。こうなれば脇本のレースだ。

残り1周手前で先頭に出た脇本は、スピードを緩めることなくフィニッシュまで走り切り1着。準決勝進出を決めた。発進からフィニッシュまでおよそ2周半のロングスプリント。これが脇本だ。

準々決勝結果PDF

準決勝 脇本雄太

準決勝は全部で2レースが行われ、各レース6人で走るうち3着までに入れば決勝へ、4着以下は7位から12位の順位決定戦に進む。

決勝までの最終関門。脇本と同じレースで戦うのは、フランスのライアン・エラル。ドイツのマキシミリアン・レビ。マレーシアのアジズルハスニ・アワン。オランダのハリー・ラブレイセン。そして、トリニダードトバゴのニコラス・ポール。

周回中の並びは前から順に、脇本、マレーシアのアワン、トリニダードトバゴのポール、オランダのラブレイセン、ドイツのレビ、そしてフランスのエラル。

ペーサーが離脱する残り3周を切ってもしばらくは牽制状態が続く。最初に動いたのは5番目につけていたドイツのレビ。残り2周となる手前でスピードを上げ前に出る。先頭の脇本もこれに合わせてスピードを上げ、レビの動きに対応する。

そして残り1周。先頭はレビ。脇本はレビの後方2番目の位置でフィニッシュを目指す。最終バックに入って外から、アワン、そしてラブレイセンが猛然追い上げを開始する。そして脇本の内側からはポールが無理矢理追い抜きをかけてきた。

最終3コーナーで外のアワンと内側のポールに挟まれる形となった脇本は、一瞬バランスを崩し外へはじき出されてしまった。

勝負権を失ってしまった脇本は力なく6番目にフィニッシュ。5年をかけて走り続けてきた金メダルへの道は、ここで断たれてしまった(内側追い抜きをかけたトリニダードトバゴのポールは、この行為が2回目の警告となり失格)。

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脇本はこの後、7位から11位の順位決定戦に出場。東京オリンピック最後となるレースを、これまでの思いをぶつけるようなパワフルな先行逃げ切りで制し、最終成績を7位とした。

男子ケイリン最終結果PDF

Text:伴達朗

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