女子チームスプリント(出場8チーム)
チームスプリントとは?
チームスプリントは、男子は3人でトラック3周、女子は2人でトラック2周のタイムを競う種目。現在のルールでは女子も男子同様3人でトラック3周となっているが、このオリンピックは旧ルールの下で出場枠争いが行われたため、女子は旧来の2人でトラック2周となっている。
チームの選手たちが横一列に並んで同時にスタート。1人1周ずつ先頭を風よけとなって走ったあと、その選手は隊列を離脱。最後に残った選手がフィニッシュラインを目指す。
勝ち上がりは、予選、1回戦、そしてメダル決定戦を含む順位決定戦の3段階。予選は1チームずつのタイムトライアル。1回戦以降は2チームがホームとバックに分かれ、同時にスタートして先着を競う対戦方式で行われる。
予選
トラック競技開幕とともに始まった女子チームスプリント予選。参加8チームによるタイムトライアルは最初から好タイムが続出。
その結果は、2020年世界選手権優勝チームのドイツ(リー ソフィー・フリードリッヒ/エマ・ヒンツェ)が32秒102でトップ。
そして前回のオリンピックチャンピオンチームの中国(バオ・シャンジュー/ゾン・ティエンシー)が32秒135で2位と、ともに世界記録(32秒034)に迫るタイムで他チームを引き離し、1回戦に進んだ。
1回戦
予選結果をもとに対戦方式で行われた1回戦。ここでもドイツと中国がさらなる好タイムをたたき出した。
全部で4組の対戦が組まれた内の3組目に出場した中国。なんと31秒804の世界新記録で対戦相手のリトアニアを圧倒した。そして4組目に出場した予選トップのドイツは、中国のタイムにわずかに及ばなかったものの31秒905のタイムでウクライナに勝利。
結果として、この2チームが金メダルをかけて戦うこととなった。
決勝 中国vsドイツ
女子チームスプリント決勝。中国の第1走はバオ・シャンジュー、ドイツはリー ソフィー・フリードリッヒ。
両者力強いスタートで一気にトップスピードに加速する。しかしスタートから半周の間に中国がややリード。
そして1周目、中国が18秒295で通過。ドイツに0秒325の差をつけて第2走のゾン・ティエンシーにバトンを渡す。
ゾンは前回のリオオリンピック優勝時のメンバーの1人。2016年世界選手権ではスプリントも制した強豪だ。一方ドイツの第2走はエマ・ヒンツェ。2020年世界選手権でこのチームスプリントとケイリン、スプリントの短距離種目3冠を達成した現在世界最強と呼べる女子スプリンターが徐々にゾンを追い詰める。
そしてフィニッシュは……
勝ったのはわずか0秒085の差で中国。タイムは31秒895。中国はリオオリンピックから5年の月日を経て、この種目で2大会連続の金メダルに輝いた。
なお3位決定戦はROC(ロシアオリンピック委員会)とオランダが対戦。ROCが32秒252のタイムで勝って銅メダルを獲得した。
Text:伴達朗
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チケットホルダー向け新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン(Ver.1 2021年6月23日)