計12個のメダルを獲得し、日本チームが大活躍を見せた香港での『2021 ネーションズカップ』第2戦は、厳格なコロナ対策がされた特殊な大会でもあった。

今回は視点を変え、日本チームへ”JCF事務”という役割で同行するスタッフの齊藤真未さんへ話を伺ってみた。活躍する選手や、それを支えるコーチやメカニック、マッサージといったスタッフ陣。さらにそのチームの裏側を支える役割の彼女もまた、絶対不可欠の存在だった。

これまでスポットライトが当たる事のなかった”JCF事務”。海外遠征時の仕事内容、スタッフから見たコロナ禍における国際大会の開催環境について教えてもらうと、大会の光景がまた違う角度から見えてきた。

▼前編はこちら

イレギュラーの中で最善を尽くす仕事 同行スタッフは見た!2021ネーションズカップ香港、コロナ禍の国際大会舞台裏【前編】

大会も、手探りながら日々改善

Q:普段の大会と大きく違った事はありますか?

ピットがとても広かったです。ピット間はアクリル板で区切られており、仕切りができたぶん手狭になりそうですが、普段の大会時より各国のスペースが広かった位です。アクリル板は定期的に除菌作業が行われていました。

Q:選手のクールダウンはどうやっていたんですか?

ピットの合間を縫って乗ったり、ほとんどローラー上です。

Q:事前に主催者側から出されていた新型コロナ対策に関する資料を読むと、ものすごく厳しく行動制限される印象でしたが?

そうですね。資料を読む限り「ものすごく厳しいんだな」と思っていました。新型コロナ禍において香港で開催する国際大会自体、このネーションズカップが初めてだったらしいんです。だから香港政府もすごく厳しくしていたみたいです。

ただ、大会会場に常駐している新型コロナ専門のドクターの方は臨機応変に対応をしてくれてもいました。

例えば、選手たちは最初の頃、インフィールドに居る時はアップやクールダウン時もマスク着用を求められていました。「マスクを取るなら屋外でやってくれ」と。ただ外は30度を超える真夏の気温で、とても暑い。そんな中で乗れないし「さすがにコレはキツい!」って声が選手からも出て、主催者側も「マズい」と思ったのか、途中からインフィールドでのアップやクールダウン時はマスク無しでもOKになりました。

Q:じゃあ大会運営側も手探り状態ながら、柔軟に選手やチームの声を聞きながら進めていった訳ですね。

そうですね。トレーニング期間中にチーム側も色々と順応しましたし、主催者側も、香港政府で定められたルールとチーム側の要望のバランスを取りながら対応してくれた印象です。

主催者側も色々な人が板挟みになりつつ、頑張って大会の運営をされたんでしょうね。

ものすごく大変な大会だったろうなと思います。自分も日本の大会だと運営する側になるので、運営者の苦労は想像ができます。全員1週間は寝られていないだろうなってレベルでしょう。

1日の始まりは「朝ご飯来たよ〜」

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