戦士の心を持つこと
Q:1年の延期に伴い、ブノワコーチはどのような練習を指示したのでしょうか?
ブノワ:選手とはずっと一緒にいますので、一緒に計画し、一緒にトレーニングしてきました。延期による良い効果ですが、これまで手が回らなかった部分も強化することができました。
Q:梶原選手はワールドチャンピオンですが、クレイグコーチからはどのような助言をしていますか?
クレイグ:「世界一である自覚を持つこと」を促しました。先日のネーションズカップではオムニアムの1種目目、スクラッチでなかなかエンジンがかかっておらず、「世界チャンピオンなのだからそれを意識して、自分がレースを引っ張っていくつもりで走らないとダメだ」と喝を入れました。そこから意識の変化があり、しっかり走れていたと思います。
Q:ブノワコーチのこれまでの経験から、選手たちに1つだけアドバイスするなら何をアドバイスしますか?
ブノワ:3人それぞれ挑むポイントが違うので、1つのアドバイスにまとめるのは難しいところです。しかしあえて言うならば「戦いに行く、戦争に出ていく、後悔がないように挑む」ことです。ある意味では武士になる、勝利のためにすべてを捨てる覚悟が必要となります。暴力的に聞こえるかもしれませんが、5年の歳月をかけ、痛み、辛さに耐え、努力してきました。だからこそオリンピック当日は死ぬ覚悟をするくらいの心境ではないと、勝てないと思います。
優勝はかなり高い可能性
Q:各選手は、東京オリンピックではどのような結果が期待されますか?
ブノワ:私は「オリンピックで優勝する」ために来ました。3人に対してもその期待がありますし、その可能性は十分あります。優勝以外は、私にとってはがっかりする結果です。
クレイグ:当日まで怪我なく、健康に過ごすことができれば、梶原選手の女子オムニアム優勝はかなり高い可能性となるでしょう。
橋本選手の出場する男子オムニアムは、どんなことも起き得るレースですので、予想は難しい。しかしメダルの可能性はありますし、トップ5は硬いと予想します。
女子マディソンはメインとしてフォーカスしている種目ではありませんので、トップ8に入れたらと思っています。ラッキーだったら、可能性はあるでしょう。