橋本英也の嗅覚の良さ
Q：橋本選手のレース（男子オムニアム）についてはどうでしょうか？
橋本の最大の持ち味は“自転車選手として優れている”という点です。速いとか強いもあるのですが、嗅ぎ分ける能力と言いますか、良い位置取りだったり、誰に付いていけば良いのか、踏み出すタイミングなどが抜群に良いです。
今回のレースでは、戦術面でとても良く走れたと思います。今回は人数が少なかったこともあり、スピード面で物足りない部分がありましたが、一方で全員が最後まで1位になれるチャンスがあるレースでもありました。
（編集部注：オムニアムの4種目は着順でポイントが与えられるレース。通常は20人程度で走り、1位は40ポイントを得ることが出来るが、最下位は1ポイントと、その差は大きい。今回は8人だけのレースとなり、着順によって得られるポイント差は僅かだった）
ですからポイントレースでは全員にまだチャンスがありました。世界選手権などでは、このような状況にはならず、トップ5までにメダルのチャンスがあり、他の人たちにはチャンスが無いようなことになりますが、今回は全員にチャンスがあったのです。その結果、とても“頭を使う”レースになりました。
最終的にはベラルーシのスクラッチ種目世界チャンピオンのカラリオクと争うことになりましたが、最終局面でも彼を逃がしませんでしたし、レースの最中に見せたテクニック、気づかなければならない瞬間に気付けたことなど、梶原もですが、動かなければならない時を察知できていたことがとても良かったです。
2人ともまだまだベストコンディションとは呼べませんし、ここから更に仕上げていきます。オリンピックまでは、ボクサーのように減量して研ぎ澄ませていく期間、とでも言いましょうか。
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