今年2021年7月23日に開幕を予定している「東京2020オリンピック」。その日を迎えるにあたり、過去大会では「どんな選手が活躍し、どんなドラマが生まれたのか」を振り返ることで、この4年に一度の祭典をより一層楽しむことができるかもしれない。

というわけで、本記事ではその第3弾として前大会の「2016年リオデジャネイロ開催」を振り返っていきたい。

参考として2016年大会の開催種目は以下の通り。(2012年大会と同じ)

男子 短距離 スプリント チームスプリント ケイリン 計5種目
中長距離 チームパシュート オムニアム
(TT・スクラッチ・個人パシュート・エリミネーション・ポイントレース・フライングラップ)
女子 短距離 スプリント チームスプリント ケイリン 計5種目
中長距離 チームパシュート オムニアム
(TT・スクラッチ・個人パシュート・エリミネーション・ポイントレース・フライングラップ)

現在オムニアムは中長距離の4種目で総合成績を競う種目だが、当時は短距離種目も含む6種目で行われていた。

もう1人のSir

オリンピック4大会に出場し通算7枚のメダル(金6・銀1枚)を獲得したレジェンド、Sir クリス・ホイ。2012年大会を最後にホイは引退したが、イギリスには新たな「Sir」が誕生していた。

それが2008年大会で3冠のホイとともに2冠を達成したブラッドリー・ウィギンスだ。

ウィギンスは2012年大会ではロードレース(TT)で金メダルを獲得している。同年のツール・ド・フランスではイギリス人初の総合優勝。Sirの称号も与えられている。

リオオリンピックではチームパシュートで優勝を飾り、自身5大会目のオリンピックで通算8枚目のメダル(金5・銀1・銅2枚)を獲得した。

トラック競技・ロードレースでのオリンピック金メダル、ツール総合優勝、アワーレコードのワールドレコード樹立と、多大な功績を残したウィギンス。トラック競技だけでなく自転車界のレジェンドといえる。

オリンピックチャンネル

金メダル10枚を誇る「Mr.&Mrs.ケニー」

前大会でも男女それぞれで活躍しイギリスを牽引してきた、ジェイソン・ケニーとローラ・トロット。リオ開催でも母国を大勝利に導いた。なにせ本大会でイギリスが獲得した金6枚のうち5枚がこの2人とそのチームによって獲得されたものだ。

ジェイソン・ケニーは3種目(スプリント・チームスプリント・ケイリン)で金メダルを獲得。トラック競技初日に行われたチームスプリントは特に盛り上がりを見せた。

カラム・スキナー、フィリップ・ヒンデス、そしてジェイソン・ケニーのチームで挑んだイギリス。予選で42.562秒を出し大会記録を更新したものの、準決勝にてニュージランドに42.535秒に塗り替えられる。

しかし決勝でイギリスが42.440秒を記録し、再び記録を更新して金メダルを獲得。1日に3回も大会記録が破られる展開となった。

一方、女子中長距離カテゴリすべての金メダル(オムニアム・チームパシュート)に絡んだローラ・トロット。女子チームパシュートでは、予選で4:13.260(世界新記録)、決勝で4:10.236(大会新記録)でフィニッシュし同年世界選手権王者のアメリカを下した。

本大会で金メダル3枚を獲得し通算6枚目となったケニーと、前大会で優勝した同2種目で金メダルを獲得し通算4枚目(英国女子アスリート最多)となったトロット。この2人は大会後同年9月に婚約を発表し、金メダル合計10枚を誇る「ケニー夫妻」となった。

ジェイソン&ローラのケニー家が金メダル3つ、トラックワールドカップ第2戦振り返り

BritishCycling CyclingWeekly CyclingNews BBC

ドイツの最強スプリンター

1/2 Page