今年2021年7月23日に開幕を予定している「東京2020オリンピック」。その日を迎えるにあたり、過去大会では「どんな選手が活躍し、どんなドラマが生まれたのか」を振り返ることで、この4年に一度の祭典をより一層楽しむことができるかもしれない。

というわけで、本記事ではその第2弾として「2012年ロンドン開催」を振り返っていきたい。

過去のオリンピックを振り返る 2008年北京開催

2012年大会開催種目

【男子】

ケイリン
スプリント
チームスプリント
オムニアム
チームパシュート

【女子】

スプリント
オムニアム
チームパシュート

他国を寄せ付けない大英トラック帝国

前大会の北京開催(2008年)で男女合計10種目のうち、金7枚を含む12枚のメダルを獲得し他国を圧倒したイギリス。2012年大会でも金7枚(合計9枚)のメダルを獲得し、 自国開催のオリンピックを盛大に彩った。

前大会(北京2008)で大活躍だったクリス・ホイは、母国開催のオリンピックでイギリス代表として旗手を務め、チームスプリントとケイリンで金メダルを獲得。国民の期待に改めて応えた。

彼の偉業は賞賛され、故郷であるグラスゴーで2012年10月に開業したスコットランド初の室内自転車競技場に「サー クリス・ホイ ベロドローム」の名前が付けられた。

トマシュ・バベク Tomas Babek TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP II, Glasgow, Great Britain

Sir Chris Hoy Velodrome

オリンピックチャンネル オリンピック公式サイト CyclingWeekly

イギリスの次世代スプリンター ジェイソン・ケニー

Qualifying / Men's Sprint / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP II, Glasgow, Great Britain

Jason Kenny (GBR)

レジェンドだけが結果を出し続けるのではなく、イギリスからは新たなスターも誕生していた。それがもう1人の2冠達成者ジェイソン・ケニーだ。

ケニーは2008・12年の両大会で、チームスプリントとスプリントの2種目に出場。チームスプリントではホイのチームメイトとして2連覇を達成した。北京開催のスプリントは銀メダルだったが、ロンドン開催では優勝している。

因みに、同じ種目で切磋琢磨したホイ(1976年生まれ)とケニー(1988年生まれ)の誕生日は奇しくも同じ3月23日だ。

オリンピックチャンネル

将来のミセス・ケニー、ローラ・トロット

Dani King, Laura Trott, and Joanna Rowsell of Great Britain

左からダニ・キング、ローラ・トロット、ジョアンナ・ロウセル

女子選手からも新たなスター選手、ローラ・トロットが頭角を現していた。初のオリンピックを迎える前から世界選手権、ワールドカップで金メダルを量産していたトロット。20歳で迎えたロンドンオリンピックでは、チームパシュートとオムニアムで金メダルを獲得。特にチームパシュートでの強さは目を見張るものがあった。

ローラ・トロット、ダニ・キング、ジョアンナ・ロウセルのイギリス女子チームパシュートトリオは、オリンピックの前からこのメンバーでチームパシュートに出場しており、オリンピックの決勝を含む6大会すべての舞台で女子チームパシュートの世界新記録を樹立した。つまり、出場する度に前回の記録を塗り替えていたのだ。

そしてローラ・トロットは、もう1人の新たなスターであるジェイソン・ケニーと2016年に結婚し、ミセス・ローラ・ケニーとなっている。

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