コロナ禍を生きる高校生に

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新田祐大、しくじりを語る

高校生対象、そしてオンラインで行われる短時間の講演ということもあり「しくじり先生的に話したいと思います」と新田。自転車競技部員として部活漬けで、勉強がおろそかだった高校時代を振り返り、それが大人になった今、どのように響いているのか「しくじり」を語る。

「高校時代は自転車の練習漬けの日々。遠征があって学校に行けない日も多かったし、行っても一番前の席で寝ているような状態でした。先生に指名されて答えられなくても『高校を卒業してしまえば関係ない』と、勉強をしないことについて深く考えていませんでした。

でもロンドンオリンピックで大敗し、オーストラリアで武者修行をしようとした時『しくじったな』と思いました。コーチとのやりとりは英語。そもそもコーチを探すのに苦労したし、コーチが見つかってからも、英語ができないから自分の熱意を伝えられない。

Final / Men's Team Sprint / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP V, Brisbane, Australia, 深谷知広 長迫吉拓 新田祐大 ブノワ・ベトゥ ジェイソン・ニブレット

現在もナショナルチームで外国人コーチの指導の元トレーニングをしている

英語だけじゃありません。オーストラリアから帰ってから競輪の成績が良くなってきて、大企業の社長さんなどとお話させていただくような機会が出てきました。そういう方々はすごく教養があって、歴史、数学、天文・・・人によって分野は様々ですが、知識量がすごい。自分の勉強不足を痛感しました」

勉強は嘘をつかない。それと同時に、青春も謳歌してほしい、と統括する。

「勉強だけじゃなく、部活、遊び、様々なことが将来に繋がります。全力で楽しむのが一番です。たくさんチャレンジしてください!」

講演の後には生徒からの質疑応答も行われ、30分という限られた時間ながら濃い「授業」となった。