勢力図は「オランダvs各国」
男子スプリントは、現在の勢力図がとてもわかりやすくなっている。2019年の世界王者となったハリー・ラブレイセン(オランダ)を筆頭に、2019年の欧州チャンピオンとなったジェフリー・ホーフラント(オランダ)、そして2019年末のレースで前述した2人を倒して国内チャンピオンとなったマティエス・ブフリ(オランダ/BEAT Cycling Club)。このオランダに挑む世界の選手たちといった構図だ。
ここまでの結果を見る限り、オランダの選手たちを打ち破るであろう選手の筆頭候補は我らが深谷知広(日本)だ。今シーズンに入って目覚ましい成長を遂げた深谷が世界へと挑む。12月のワールドカップ第4戦を最後にトレーニングに励んできた深谷の力はどれだけ増しているのか?オランダとの力の差は埋まったのか?その点が日本のファンとしては最も気になるところだろう。
そしてワールドカップでは深谷と互角の戦いを繰り広げてきたマテウス・ルディク(ポーランド)も、メダル争いの筆頭候補だ。
この中の誰が新たなチャンピオンになっても不思議ではないが、やはりラブレイセンとホーフラントは一つ頭が抜けた実力を備えている。見る側の注目すべき点は予選の200mタイムトライアルのタイム。ベスト4までに深谷が入ることが出来れば、世界選手権でのメダル獲得が現実味を帯びてくる。そしてオランダ勢も勢いそのままに倒してもらいたい。
また、2018年のこの種目のチャンピオンであるグレーツァー(オーストラリア)、そしてリオ五輪のチャンピオンであるジェイソン・ケニー(イギリス)の2人がどこまでコンディションを上げてくるかという点も気にしておきたいところ。この2人が身体を仕上げてきた場合には、とても危険な敵となる。
果たして結果は?オランダによって表彰台が独占されてしまうのか?
そしてダークホースは新田祐大。身体を見たらわかると思うが肉体に秘めたパワーはもはや未知数。
一体どこまで勝ち上がれるのか、それは本人にもわからないはず・・・・
次回は男子オムニアムの見所をお届けする。
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