遂に最終戦となったワールドカップ。3月に開催されるトラック世界選手権を含め、東京オリンピック出場枠争いもあと2戦のみとなった。
第6戦はワールドカップ最終戦、そして世界選手権前の調整のタイミングでもあり、各国今までのワールドカップとは少し違った思惑、組み合わせでの対決が予想される。オリンピック出場のためにもう一踏ん張りしなければいけない国同士による争いや、東京オリンピック後を見据えて若手育成の一環として出場する強豪国など、それぞれの動きに注目したい。
男子チームパシュート
オリンピックランキング3位(1月16日現在)のカナダはワールドカップ初参戦の19歳アミエル・フレットを含む、若手中心のメンバー構成(エヴァン・バートニク/クリス・アーンスト/アミエル・フレット/イーサン・オグロニツク)。20歳のアーンストはチームパシュート国内王者、オグロニックは国内のジュニアの大会でケイリンからオムニアムまで様々な種目で成績を残している。
強豪イタリアも、平均年齢20歳のメンバー(ダビデ・ボスカロ/カーロアルベルト・ジョルダーニ/ジュリオ・マソット/ステファノ・モロ)でエントリーしている。ジョルダーニは昨年のヨーロピアンゲームスの同種目にて銀メダルを獲得。マソットは現個人パシュート世界王者のフィリポ・ガンナの元チームメイトであり、今後の成長が期待される。
対してフランスはバレンティン・タベリオン以外は2016年のチームパシュート欧州王者のメンバー(トーマス・デニス/コランタン・エルメノー/フロリアン・マイトレ/バレンティン・タベリオン)。個々の実績からも、第6戦有力国と言えるだろう。
アメリカはエース格のアシュトン・ランビーが不在だが、元国内ロード王者でトレック・セガフレードにも所属した経歴のあるグレゴリー・ダニエルが名を連ねる(グレゴリー・ダニエル/グラント・クーンツ/コルビー・ランゲ/ダニエル・サマーヒル)。
若手育成でエントリーのカナダとイタリア vs 主力メンバーのフランスとアメリカの対決が見どころだろう。
男子オムニアム
オムニアム欧州王者のベンジャミン・トマ(フランス)を筆頭に、ポイントレース世界王者のヤン・ウィリアム・ファンシップ(オランダ)、2014年マディソン世界王者であり、ポイントレースで時折強さを見せるアルベルト・トーレス(スペイン)、昨シーズンの年間王者で今シーズンの第5戦終了時ランキング2位のクリストス・ボリカキス(ギリシャ)など、ハイレベルな顔ぶれが揃う。
第1戦で銅メダルを獲得したUAEチームエミレーツ所属のルイ・オリベイラ(ポルトガル)、2020年からチーム・イネオスへと加入するイギリスチームパシュートメンバーのイーサン・ハイター(イギリス)など、世界最高峰ロードレースチームに所属する若手選手達もエントリー。
男子マディソン
ヨーロッパ選手権2位のオランダ(ヤン・ウィリアム・ファンシップ/ヨエリ・ハビック)とイギリス(イーサン・ハイター/オリバー・ウッド)が、過去の実績から今大会の有力国として挙がるだろう。
イギリスペアは2018年ヨーロッパ選手権で銅メダルを獲得。両者はチームパシュートメンバーとして活躍した経験もある事から、若手ながらもその実力はお墨付き。
そのほか、オムニアムでも活躍するセバスチャン・モラ擁するスペイン(セバスチャン・モラ/オスカー・ペレグリ)や欧州王者のベンジャミン・トマのフランス(ベンジャミン・トマ/ビンセント・グロンディン)、ベテランとルーキーで挑むアメリカ(ダニエル・ホロウェイ/ギャビン・フーバー)など。
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