ワールドカップ折り返しとなる2019-20UCIトラックワールドカップ第4戦

第3戦の香港から更に南下し、ニュージランド・ケンブリッジが舞台。地元ニュージランド及び隣国オーストラリアの強豪が顔を揃える。

第3戦では男子スプリントにて深谷知広が2大会連続の銅メダル、女子ケイリンで小林優香が銅メダルを獲得するなど日本勢の実力を見せた大会となったが、第4戦では南の強豪たち相手にどこまで戦えるのか注目だ。

日本勢に高まる期待 男子選手編

男子チームスプリント

第3戦で43秒台前半を上回るタイムを記録した強豪オランダ、ドイツ、フランスは不在。しかし予選で43秒台前半をマークしているニュージーランドは第3戦と同様にエドワード・ドーキンス/イーサン・ミッチェル/サム・ウェブスターの主力メンバーで挑み、今回の優勝候補となるだろう。

New Zealand

第1〜3戦での上位のタイムを比較しても、予選で43秒台中盤、1回戦で43秒台前半よりも速いタイムを出すことがメダル争い参加のボーダーライン。

すると前述したニュージーランドに加え、オリンピック出場枠内(12月2日現在)のロシア、オーストラリア、ポーランドあたりがメダル争い参加国となることが予想され、さらにオリンピックランキング混戦となっている中国(シャイ・グオ/ヨンジア・ルオ/ユ・ゾウ)、日本(雨谷一樹/深谷智広/新田祐大)、チェコ(トマシュ・バベク/マーティン・チェヒマン/パヴェル・ケレメン)、トリニダード・トバゴ(ケロン・ブラムブル/ニコラス・ポール/ニシェン・フィリップ)の4ヶ国による熾烈なランキング争いも予想できる。

男子スプリント

元スプリント世界王者のマシュー・グレーツァーがエントリーリストに名を連ねている。先日甲状腺ガンの手術をしたことを公表したグレーツァーがもう復帰するのか、本当に出場するのかはまだ不明だが、これがどう対戦カードに影響するか興味深い。

男子スプリント注目選手は2大会連続で銅メダルを獲得している深谷知広。第2・3戦の上位2位のオランダは不在の為、深谷とマテウス・ルディク(ポーランド)の二強による争いが予想出来る。

過去2大会のタイムとリザルトを比較しても、バンクによってタイムは若干変わるが「200mFTTにおいて9秒75より速いタイム」がメダル争いのボーダーラインと言えるだろう。

直近の大会でこのタイムを上回っている選手たちを挙げると、深谷、ルディク、ニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)、デニス・ドミトリエフ(ロシア)など。しかし、0.05という小さな数字の争いの為、200mFTTは苦手でも対人のスプリントなら得意という下位の選手たちが、予想を上回るタイムで1回戦から勝ち進む事も有り得る。

男子ケイリン

男子ケイリンにて名が挙がる注目選手たちは、出場した2戦全てで決勝に進出し、第2戦で銅メダルを獲得したデニス・ドミトリエフ(ロシア)、短期登録で来日経験もあるシェーン・パーキンス(ガスプロム・ルスヴェロ)、トマシュ・バベク(チェコ)、マシュー・グレーツァー(オーストラリア)など。

そのほかパン・アメリカ選手権での鎖骨骨折の後に第3戦から競技復帰し、国際大会でも伏兵的な動きを見せるヒューゴ・バレット(カナダ)や元世界王者のアジズルハスニ・アワン(マレーシア)も見逃せない。また、チームブリヂストンサイクリングに加入し、今シーズンワールドカップ初戦となる脇本雄太、そしてケイリン世界ランク1位の座をキープする新田祐大(dream SEEKER)も参戦。

地元ニュージランドからは第3戦覇者のカルム・サウンダースに代わりエドワード・ドーキンスがエントリー。チームスプリントの主力メンバーでもあり、コモンウェルスゲームでは1kmTTやケイリンでもメダル獲得歴のある走りに期待できる。

Edward Dawkins (NZL)

男子エントリーリスト:PDF

王者不在の混戦 女子選手編